【追悼】声優・富田耕生さんが演じたキャラを振り返る。見えてくる「共通点」とは…
初代「ドラえもん」をはじめ数多くのアニメ作品で活躍し、2020年9月に亡くなられた声優の富田耕生さん。偉大な足跡の一部を紹介し、その功績を振り返ります。
富田耕生さんの代表的なキャラといえば?

声優の富田耕生さんが2020年9月27日に脳卒中で亡くなりました。生前、多くのキャラクターたちに命を吹き込み、私たちを楽しませてくれました。富田さんが演じていた代表的なキャラたちをいくつかご紹介して、昔からのファンの方にはなつかしく思い出していただき、最近のファンの方にはあらためて知っていただきたいと思います。
富田さんの声優としての活動は、アニメの創成期まで遡ります。まず、誰もが知っている日本最初のテレビアニメである『鉄腕アトム』(1963年)が、富田さんのアニメデビュー作といわれています。そして、同じくらい有名な『鉄人28号』(1963年)で初めてのレギュラーとして、大塚署長を演じました。
この大塚署長との縁は深く、リメイク作品である『太陽の使者 鉄人28号』(1980年)でも大塚警部を演じ、世界観は明確につながっていませんが、翌年の『六神合体ゴッドマーズ』(1981年)では大塚長官を演じています。ですから、筆者の世代で「大塚署長」といえば、富田さんの声で脳内再生される人が多いと思います。
富田さんのはまり役といえば、前述した『鉄腕アトム』では演じていませんでしたが、他の手塚治虫作品アニメで登場する「ヒゲオヤジ」こと伴俊作を忘れてはいけません。おそらく、一番多く担当しているのではないでしょうか? 他の方も演じてはいるものの、やはり富田さんの声が筆者にとって一番印象に残っています。
はまり役といえば、忘れてはならないのが『キューティーハニー』(1973年)の早見団兵衛です。その人気の高さは、同じ永井豪作品の『UFOロボ グレンダイザー』(1975年)で、牧場団兵衛というそっくりなキャラを出演させたほどです。
近年、リメイクされた『Cutie Honey Universe』(2018年)でも早見団兵衛を演じていたときは、とても嬉しかったことをおぼえています。
みなさんが知っているという点では、バカボンのパパも長い間、演じていたキャラです。『平成天才バカボン』(1990年)以降、テレビアニメだけでなくCMなどでも演じていましたから、まさしく平成を代表するバカボンのパパだと思います。
こうして並べてみると、代表的なキャラはヒゲの似合うキャラばかりです。