「動くガンダム」公開目前の今こそ! PS2『連邦vsジオンDX』で一年戦争を振り返る
「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」の一環として企画・開発が進められていた「動くガンダム」が2020年12月に横浜で公開されることが発表され、注目を集めています。そんな今だからこそプレイしたいガンダムゲーム…そのなかでも、『連邦VS.ジオン DX』傑作といっていい出来栄えでした。
ゲームの「グラフィックの違いが面白さの決定的差でない!」
1979年に放映が開始されたものの、本放送では視聴率が振るわず、全52話の予定が43話に短縮されたアニメ作品『機動戦士ガンダム』。その後のブームや派生作品の多さから、にわかに信じがたい話なのですが、当初はマニアックでリアルな設定が視聴対象者の子供たちにウケることなく、あえなく打ち切りとなったそうです。
その打ち切りが決定した後に中学生以上の年齢層から人気に火が付き、再放送では高視聴率を記録。放送後にプラモデル(いわゆるガンプラ)が発売されました。アラフィフ世代の筆者も当時プラモ屋に並び、「ザクが欲しいのに抱き合わせでムサイを買わされる」という目にあったことが懐かしいのですが、その「ガンプラ」も今年で40周年を迎えるそうです。
放映30周年の2009年にお台場の潮風公園に実物大のガンダム立像が登場し、「ガンプラ」40周年の今年2020年は、12月19日(土)から神奈川県横浜市の山下埠頭に建設された『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』で「動く実物大のガンダム」が公開される予定です。やはり我々(ここはあえてギレン総帥風に)世代では「ファーストガンダム」に対する思い入れを持つ方も多いのではないでしょうか?
その「動くガンダム」公開に向けて、筆者も最近プレイステーション2向けの「ガンダム」ゲームを引っ張り出してプレイに興じていたのですが、つくづく思い知らされたのが『機動戦士ガンダム 連邦vsジオンDX』(以下、連ジDX)の完成度の高さ。シャア・アズナブル風に言えば、ゲームの「グラフィックの違いが面白さの決定的差でないこと」を今更ながらまざまざと教えられた気分です。
2001年3月にアーケードで『機動戦士ガンダム 連邦vsジオン』が登場し、同年12月にこのPS2用の『DX』が販売されるのですが、この『連ジDX』は過去のガンダムゲームの中で最高となる81万本を売り上げたそうです。実際、操作性やゲームデザインなどは、今プレイしてもまったく旧さ(ここはあえて古いでなく)を感じさせないもので、たとえアムロに「今更、こんな古いゲームを……父さん、酸素欠乏症にかかって」と嘆かれたとしても、まったく気にならないほどの面白さであります。
これ以前、2000年12月にバンダイから発売されたゲーム、『機動戦士ガンダム(PS2)』はプログラミングの関係上、内容は地上戦のみで操作も複雑で(これはこれでモビルスーツを操作している感じが良いのですが)、宙域戦は2003年9月に発売された『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙編』に分けられていたのですが、『連ジ』は地上戦も宙域戦も両方アリ。また操作も十字キーの移動と主武器やサブ兵器での射撃と格闘などの攻撃……というシンプルさです。この操作性の高さも、『連ジDX』がウケた理由であると思います。