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映画『鬼滅の刃』はTVアニメ・原作を見ずとも楽しめる。理由は今回の「主役」にあり?

累計発行部数1億部を超える吾峠呼世晴先生の人気マンガを原作としたアニメ『鬼滅の刃』。TVシリーズのその後を描く「無限列車編」が劇場版として公開され、初週3日間で興行収入46億円を超える脅威の数字を叩き出しました。TVアニメ・原作を知らなくても楽しめる映画の見どころを紹介します。

映画『鬼滅の刃』の主役は炎柱・煉獄杏寿郎といえる

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』ティザービジュアル。劇中で大活躍する煉獄杏寿郎が描かれる(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』ティザービジュアル。劇中で大活躍する煉獄杏寿郎が描かれる(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 2016年から2020年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、累計発行部数1億部を超える大ヒットを記録した吾峠呼世晴先生の人気マンガ『鬼滅の刃』。

 2019年にTVシリーズが放送され、「Fate」シリーズなど、シリアス色の強い作品や、CGを用いた美麗なアニメーションに定評があるufotableが制作を務め、花江夏樹さんら今をときめく豪華声優陣、数々の有名アニメ音楽を手掛ける梶浦由記さん、誰もが一度は耳にしたことがあるであろうLiSAさんが歌うOP主題歌「紅蓮華」など、数多の要素が折り重なって、大人から子どもまで一大ムーブメントを巻き起こしました。2020年10月16日に公開された劇場版「無限列車編」は、TVアニメ完結後の戦いを描く内容です。

 新型コロナウイルスの影響もあり、映画館へ足を運ぶ人が減少傾向にあるなか、初週3日間で興行収入46億円、観客動員数342万人を記録し、『名探偵コナン 紺青の拳』や『天気の子』を圧倒的に上回り、歴代記録を更新する脅威の数字を叩き出しています。

 ですが、まだ『鬼滅の刃』に触れたことのない人にとっては、映画に興味があっても「TVアニメ・原作を観ていなくても楽しめるのか?」という疑問が浮かぶのではないでしょうか?

 結論からいいますと、いきなり映画から入っても十分楽しめます。その理由や見どころを紹介します。

 物語の舞台は大正時代の日本。人を食する“鬼”が存在し、その鬼と戦う“鬼殺隊”に入隊した主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼になってしまった妹を人間に戻すため、家族を皆殺しにした鬼を探し出すため、日夜仲間とともに熾烈を極める戦いに身を投じていく姿を描く……のですが、今回の映画の主役は彼ではなく、鬼殺隊の中で最も強い“柱”と呼ばれる9人のうちのひとり、煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)といってもよく、今回は彼を知るための物語といっても過言ではありません。

 全26話のTVシリーズ終盤において他の柱たちとともにわずかに登場はしていたものの、煉獄杏寿郎その人について詳しく語られるのは今回が初めて。つまり、今回の映画においては、これまでの物語を把握していなくても問題ないのです。

 また、劇中では敵の能力によって炭治郎の過去や殺されてしまった家族との関係性、彼が戦う動機なども垣間見られるため、原作やTVシリーズに触れておらずとも、物語の大筋を、それぞれのキャラクターのバックボーンを把握しながら楽しむことができるのです。

 映画から入るも良し、原作やTVアニメから入るも良し。どんな形であれ、『鬼滅の刃』に宿る面白さやアツさは、間違いなくあなたの心をつかんで離さないでしょう。

(ミヤザキタケル)

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