アニメ『デビルマン』の最終回は幻だった? 再放送がもたらした「モヤモヤ」の真相
再放送がもたらした驚きの数々。でも一番衝撃的だったのは…

アニメ『デビルマン』に何が起こったのか? 筆者の体験を通じてお話しします。
本放送終了後、初めて『デビルマン』が再放送された時のことです。子供ですからいつものようにオープニングに合わせて歌っていると、途中から見たことのない映像に切り変わって、歌詞が一番から二番へと進みました。
不思議に思っていると、本編が始まったので夢中で観始めます。その後、本編が終わった後にまた驚きがありました。
それは、見たことも聞いたこともないエンディングが流れたからです。実は本放送時に『デビルマン』にはエンディングがなかったのです。
この不思議な出来事には理由がありました。それは関東を含む一部の地域では『デビルマン』は25分枠だったのですが、本来は30分枠として制作されていたのです。
そのため、本編の長さは一緒でしたが、25分枠では、オープニングと予告編は短くされ、エンディングは省略されていたのです。しかし、再放送は30分枠だったので完全版ともいえるバージョンで放送されたのでした。
ちなみにこの25分枠と30分枠のバージョン違いはその後、『キューティーハニー』や『鋼鉄ジーグ』など、他の作品でもありました。
しかし、驚くことこれだけではありません。第38話「妖獣ドリムーン 月は地獄だ」を見終わった翌日のことです。最終回のはずのドリムーンの話の後に、第39話「妖獣ゴッド神の奇跡」が放送されたのです。
そう、実は『デビルマン』は本放送で最終回を放送していなかったのです。子供の頃の筆者は単純にキチンとした最終回が見られたと喜びましたが、成長するにつれ納得がいかない、モヤモヤした気持ちが高まってきたものです。
当時は子供向け雑誌の記事くらいしか情報はありませんでしたし、コミカライズされたマンガ版『デビルマン』の最終回もドリムーンが最後の敵だったので、当時、妖獣ゴッドの存在を知っていたのは放送された地方の子供たちだけでした。少なくとも筆者と同じ関東圏に住んでいた子供たちは、その存在を知らなかったわけです。
今のようにネットワークが発達した環境なら、放送された地方から情報が即座に入りますよね。昭和という時代だからこそ、再放送まで多くの子供が知らなかったエピソードだと思います。
(加々美利治)