千葉雄大の舞台出演で注目、萩尾望都『ポーの一族』はどれだけ凄いマンガなのか
少女マンガのレジェンド・萩尾望都氏の代表作『ポーの一族』が、千葉雄大さん出演の舞台化で再び注目を集めています。1970年代に連載を開始し、現在も新作が描かれて世界観が深められている『ポーの一族』の凄さとは……? 少女マンガ芸人の別冊なかむらりょうこさんが解説します。
永遠の時を生きる吸血鬼たちの世界を描く

いまや、多くの少女マンガが恋愛ものの映画の原作となり、少女マンガ原作のドラマも毎クール放映されるようになり、人びとにとって少女マンガというものは、身近で当たり前の存在になってきました。
その少女マンガの躍進を担い、1970年代に活躍した女性漫画家のレジェンドたちがいます。彼女たちは昭和24年ごろ生まれだったことから、「花の24年組」と呼ばれました。その代表格であり、今も現役で活躍されている少女マンガ界の至宝、それが萩尾望都(はぎお もと)先生です。
萩尾先生は、少女マンガ界にもたらした功績から、2012年には少女マンガ家では初となる紫綬褒章を受賞、2019年にはこちらも初となる文化功労者に選出されました。
萩尾望都先生は数多くの作品を描いてきましたが、中でも『ポーの一族』は、少女マンガ界で最も有名なマンガといっても過言ではありません。『ポーの一族』は1972年から1976年にかけて小学館「別冊少女コミック」にて断続的に連載された作品です。1976年には、『11人いる!』とともに第21回小学館漫画賞少年少女部門を受賞しました。
そして、2016年5月には、連載終了から40年ぶりに小学館『月刊フラワーズ』にて新作『ポーの一族 春の夢』を発表。掲載した号には重版がかかり大反響を呼びました。
また、2019年には続編第二弾『ポーの一族 ユニコーン』が発売され、現在も続編第三弾『ポーの一族 秘密の花園』が連載されています。
少年の姿のまま永遠の時を生きる運命を背負った吸血鬼・バンパネラたちの200年あまりの世界を交差して進んでいく物語は今も新しく、新たなファンを増やし続けています。