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『ルパン三世』のモデルはこの人、ベルモンド! 冒険と美女好きな伊達男を特集上映

『ルパン三世』ファンなら気になる、実写映画の特集上映「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」が行われます。フランスの人気俳優ベルモンドが主演した蔵出しのアクション映画8本がセレクトされています。アニメ『ルパン三世』の世界観に、大きな影響を与えたフランスの伊達男・ベルモンドの魅力に迫ります。

「すべての“カッコいい”の原点」

『オー!』(1968年)。後ろに「ルパン」の文字が。 HO! a film by Robert Enrico (C)1968 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - MEGA FILMS
『オー!』(1968年)。後ろに「ルパン」の文字が。 HO! a film by Robert Enrico (C)1968 – TF1 DROITS AUDIOVISUELS – MEGA FILMS

 冒険好きで、美女も大好き。悪党だけど、憎めない男。モンキー・パンチ氏が1967年から連載をスタートさせたコミック『ルパン三世』は、1971年からTVアニメ化され、今でも大変な人気があります。男の美学で貫かれたアニメ『ルパン三世』を観て育ったファンにとって、気になる映画の特集上映が2020年10月30日(金)から始まります。『ルパン三世』のモデルになったと言われている、フランスの人気俳優の主演作をセレクトした「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」です。

 ジャン=ポール・ベルモンドは日本では『勝手にしやがれ』(1960年)や『気狂いピエロ』(1965年)の主演俳優として知られていますが、フランス本国や世界各国ではアクションスターとして大人気でした。二枚目ではないものの、危険なアクションにスタントマンなしで挑み、ひょうひょうとしたユーモラスなキャラクターぶりで『リオの男』(1964年)や『カトマンズの男』(1965年)を大ヒットさせています。

「すべての“カッコいい”の原点」。そんなキャッチコピーで始まる「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」の予告動画を見てもらえば、ベルモンドが『ルパン三世』だけでなく、世界中のエンタメ作品に大きな影響を与えたことが伝わってくるのではないでしょうか。

命綱なしで演じた危険なアクション

 今回の特集上映は、日本ではDVD化されていないベルモンド主演のアクション映画8本が選ばれています。特集上映を企画した映画評論家の江戸木純氏に、ベルモンド映画の面白さを語ってもらいました。

「若い世代は、ジャン=ポール・ベルモンドと聞いても『誰?』と思うかもしれませんが、1960年代~1970年代は米国のスティーブ・マックイーンと肩を並べる世界的なアクションスターだったんです。イケメンではありませんが、舞台出身で演技力があり、サッカーやボクシング経験があって身のこなしが軽やか。当時はCGがなかったので、危険なシーンも命綱なしでやっています。高層ビルでのアクションも、下に敷いたマットがカメラに映ることを嫌い、マットを外したと資料に記されています」

 涼しい顔で、ビルからビルへと飛び移り、ヘリコプターのロープにぶら下がってみせる怖いもの知らずのベルモンドの活躍は、まさに『ルパン三世』の原点だと言えそうです。

「スター俳優が怪我をすることを恐れて、危険なシーンはプロデューサーが止めるものですが、ベルモンド自身がプロデューサーも兼ねていたので可能だったんです。ジャッキー・チェンやトム・クルーズの先駆者と言えるでしょうね。当然、撮影中に大怪我をしたこともありますが、ジャッキー・チェンと違ってNGシーンを見せることはありませんでした。彼の美学を感じさせます」

 人気女優ジョアンナ・シムカスと共演した『オー!』(1968年)など、美女とのラブシーンがとてもシャレているのも、ベルモンド映画の魅力です。

【画像】命綱なしで飛行機の上に…! 危険を顧みぬ伊達男、ベルモンド傑作映画のシーン(6枚)

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