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変化する「プロ棋士とコンピュータ」の関係。昔・ライバル、今・共存共栄、将来は…?

高いレベルのAI将棋が登場し、大きく変貌したプロ将棋の世界。そんな新時代に突入したさなか、藤井聡太という天才棋士が現れ、さらなる時代に入ったことを予感させます。プロ棋士とAIの関係、その最新事情を紹介し、さらに今後について展望します。

将棋プロ棋士はAIをどのように活用? 多くが感じる「利点」とは

「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」二回戦第三局(2020年9月12日)で藤井聡太二冠と対局した豊島将之二冠。豊島氏は電王戦出場を機にAIを導入している(画像:日本将棋連盟)
「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」二回戦第三局(2020年9月12日)で藤井聡太二冠と対局した豊島将之二冠。豊島氏は電王戦出場を機にAIを導入している(画像:日本将棋連盟)

 現在、多くのプロ棋士が将棋研究でコンピュータ、いわゆるAI(人工知能)を導入しています(以降、AIと表記します)。有名なところでは、豊島将之二冠(竜王・叡王)が、2014年の将棋ソフトとの対局「電王戦」参加を機に研究会(有志のプロ棋士たちが集まって行うもの)をやめ、自宅でAIを使い、ひとりで研究するスタイルにしたといいます。結果、その後、竜王・名人という将棋8大タイトルのうち、頂点ともいえるふたつのタイトルを獲得しました。

 話題の藤井聡太二冠(棋聖・王位)も、早くからAIを導入しています。そしてさらに! 2020年8月の団体戦決勝で、藤井二冠が所属するチームが優勝し、賞金1000万円をゲット(3人で分配)。インタビューで賞金の使い道を聞かれた藤井二冠は「コンピュータ(パーツ)を買いたい」と答え、その後、実際に高価なコンピュータを購入したそうです。

 いま、最前線のプロ棋士たちはどのようにコンピュータやAIを活用しているのでしょうか? もちろん使い方は人それぞれのようですが、何より「さまざまな設定にできる」のが一番の利点だそうで、時間設定はもちろん、「〇手先しか読まない」など、棋力を調整し、さまざまな視点で将棋を分析。さらに、AIソフト同士を対戦させ、その対局を冷静に考察するという方も多いようです。

まさに仁義なき戦い? 「世界チャンピオン vs AI」

 現在は将棋中継でもAIが導入され、どちらが有利なのかを%で表示、さらにAIが予想する「次の一手」ベスト5も表示され、私たちもこれまでとは違う観戦が楽しめるようになりました。

 しかし、かつては仁義なき戦い(?)ともいえる、プロ棋士とAIの壮絶な争いがありました。それは将棋だけではなく、ボードゲームの世界で30年ほど前から始まっています。1990年代から、オセロ、チェス、将棋、囲碁のそれぞれにおいて、かなり高度なAIソフトが開発され始めます。そして1997年、チェスの伝説的な世界チャンピオンがAIと対決し、2勝3敗1分け。さらにオセロの世界チャンピオンが6連敗するなど、衝撃的な出来事が起こりました。

 そして運命の2017年、人類最強王者と謳われた中国の囲碁王者がAIに3連敗! 将棋でも、第2期電王戦において、佐藤天彦名人(当時)がAIに2連敗(先手番・後手番)したのです。これにより、「もはやAIに人間は勝てない」と大きく報じられました。

 しかしその後、逆にAIを利用して強くなろうという動きが起こり、多くのプロがAIを導入、まさに「共存共栄の時代」に入ったのです。

【画像】AI導入棋士どうしの対戦!「藤井聡太vs豊島将之」108手の結末は…?(4枚)

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