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『鬼滅の刃』アニメ続編はTVか映画か? 最もありえる形の、悩ましい問題とは

問題は、「柱稽古編」をどこに持ってくるのか

 ただしこの場合、「柱稽古編」をどうするのかという問題があります。

「柱稽古編」はキャラクターの関係性を語る上では極めて重要な部分ですが、ストーリーの中では次の「無限城編」へ向けての準備期間です。

 TV1期のラストは「無限列車」に乗り込む竈門炭次郎たちのシーンで締めくくられますが、言うまでもなく次に続く劇場版へのヒキとなっています。もし、2期もヒキを重視するのであれば、最も盛り上がるのは、おそらく「柱稽古編」のラストで鬼舞辻無惨が「無限城」へ隊士たちを引きずり込むシーンになるでしょう。その手前、竈門禰豆子にまつわるシーンで終わるのも素晴らしいと思います。しかし、悩ましいのが「刀鍛冶の里編」には作中屈指の人気キャラクターである我妻善逸と嘴平伊之助が登場しません。2期の最後にこのふたりを登場させるためには、「柱稽古編」を組み込む必要があるのです。「無限城編」がTV3期になるのか劇場版数作品になるのかはわかりませんが、次作へのヒキを考えるとやはり善逸と伊之助は顔を出しておきたいキャラクターではないでしょうか。

 ただ、原作の残り分量を考える必要もあります。「遊郭編」「刀鍛冶の里編」「柱稽古編」は単行本約8冊分に相当します。「無限城編」は16巻途中からスタートするため原作は残り7冊半分となり、TVアニメで制作するとなるとだいたい2クール分程度になるのでちょうどいいのですが、大きな問題があります。

 無惨が人を殺しすぎているのです。

 特に最終決戦では、多くの鬼殺隊士が命を落とします。極めて凄惨な場面の連続となるため、TVよりも劇場作品にしたほうがより原作を忠実に再現できるでしょう。「無限列車編」の大ヒットを受けて、再度の劇場アニメ化を期待する声も出ているはずなので、何らかの動きはあると予想します。

 しかし最終決戦を劇場版にすると、今度はTVアニメで3期2クールを作る分の原作が足りなくなってしまうのです。こうなると、「柱稽古編」は3期の頭に入れたほうがよくなります。

『鬼滅の刃』の脚本はufotableとクレジットされており、制作会社内で作られています。おそらくは今後のアニメ化スケジュールについては相当頭を悩ませているはずです。しかしどのような形となっても、まちがいなく素晴らしいものが出来上がるでしょう。まずはTVアニメ2期の発表を、そしてその後はTVアニメ3期や新劇場版の発表を、楽しみに待ちたいと思います。

(早川清一朗)

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