2021年へ期待高まる舞台『ニンジャバットマン』。日本発のアメコミアニメ成功の理由は
新しくクレイジーなバットマンの誕生
バットマンのアニメ化作品は、1990年代に日本でも放送されていました。『バットマン:ジ・アニメイテッド・シリーズ(Batman:The Animated Series)』は、シンプルで角ばったデザインのバットマンを浸透させ、キャラクターの線を簡略化した代わりに動きを強調するというアニメーションは高く評価されました。
また、制作者が「ダークデコ」という、ダークとアールデコを掛け合わせた造語をつけた、ゴッサムシティの陰鬱な雰囲気は、独特の世界観を作り出すことに成功していました。
こうした「バットマン」アニメのイメージに対して、3DCGを駆使し、演出や設定に至るまで唯一無二となった日本発「バットマン」は、監督自身も評価が分かれるであろうと公開時に発言していました。当初アメリカでは肯定的に捉えられていなかったようですが、やがて海外のファンにも受け入れられていったようです。
アニメ本編ではロボットも見どころのひとつでしょう。「日本人がアメコミのヒーローを作るんだから、海外の人はロボットに乗せると思ってるはずだ」という考えが元になっていますが、これは1978年の東映版『スパイダーマン』で出てくる巨大ロボット「レオパルドン」に影響を受けていると、制作陣も語っています。
『ニンジャバットマン』のように海外のキャラクターを日本でアニメにするという試みはまだまだ少なく、このバットマンはアニメの国境を超える作品ともいえるでしょう。
バットマンの新しい姿を描いた『ニンジャバットマン』はいい意味でのクレイジーさが受け、今回の舞台化につながっています。同作の広がりは、バットマンシリーズに続くアメコミコンテンツの「日本発」展開に大きな期待を抱かせてくれそうです。
(大野なおと)
BATMAN and all related characters and elements (C) & TM DC Comics and Warner Bros. Entertainment Inc.