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気軽に読めて面白い、5巻以内完結「短編マンガ」3選 映像化もされた作品を厳選

5巻以内で完結したにもかかわらず高い評価を受けた、名作「短編マンガ」3選をご紹介します。長編に手をつける気力がない人や、空き時間を利用して読み切りたい人、お財布がピンチという人にもオススメです。

短くても心を動かされる!映像化もされた名作短編マンガ

 お財布にも比較的優しく、1日あればサクッと読み終えることができる「短編マンガ」。たとえ長編でなくても、自分の考え方が変わるほど心を動かされる作品がたくさんあります。そんな短編マンガのなかでも、“5巻以内”で完結した名作を厳選してご紹介します。

 今回紹介する作品はどれも高い評価を受け、短編ながらアニメ化や映画化もされています。原作を読んで深く刺さった方は、そちらもチェックして二度楽しんではいかがでしょうか。

●幸村誠『プラネテス』 全4巻

著:幸村誠『プラネテス』 第1巻(講談社)
著:幸村誠『プラネテス』 第1巻(講談社)

 最初にご紹介するのは、2070年代を舞台にしたSF作品『プラネテス』です。この世界では、宇宙開発が進む一方、廃棄された人工衛星などの宇宙ゴミ「スペースデブリ」が軌道上にあふれ、衝突事故を起こすといった社会問題が起こっています。

 物語の主人公・星野八郎太(通称:ハチマキ)が勤めるのは、スペースデブリの回収業者。いつか自分の宇宙船を持つことを夢見ながらも、サラリーマンとしての業務をこなす日々を送っています。ド派手な展開のSFというよりは、未来の社会が現実的に描かれている作品です。

 作りこまれた世界観の面白さもありますが、物語の主軸となっているのは主人公・ハチマキの心情の変化。楽観的な性格だったハチマキが、宇宙での生活を通して、徐々に哲学的な思考へ陥っていきます。リアルな人間臭さが描かれているだけに引き込まれ、読者も考えさせられてしまいます。

 表面的にはそれなりに人付き合いをこなしているのに、周りが知らないところでシリアスに考えこんでしまう、という人は多いのではないでしょうか。そういうタイプの人には、間違いなく刺さる作品です。2003年にTVアニメ化もされているので、アニメ派の方はそちらから入るのもオススメです。

●あずまきよひこ『あずまんが大王』 全4巻(新装版:全3巻)

著:あずまきよひこ『あずまんが大王』第1巻(メディアワークス)
著:あずまきよひこ『あずまんが大王』第1巻(メディアワークス)

 続いては、『よつばと!』でも知られるあずまきよひこ先生作の4コママンガ『あずまんが大王』。今でこそ定番になった、女子高生たちの日常を描くジャンルのマンガで、のちの多くの作品に影響を与えました。

 内容はほとんどが女子高生の雑談で、ゆるいトーンの掛け合いが続きます。ツッコミがなかったり、オチがなかったりと、他では味わえない独特の空気感を持ったコメディです。爆笑するというよりは、「自然と口角が上がってしまう」という感じの作品になっています。

 登場するキャラクターも魅力的です。10歳の天才少女・美浜ちよ(通称:ちよちゃん)、いつもぼーっとしている大阪人・春日歩(通称:大阪)、元気なバカ・滝野智(通称:とも)など、個性豊かなキャラクターがそろっています。デザインもどこか力が抜けていてかわいらしく、読んでいてどんどん好きになっていきます。

 とにかく、「ずっとこの世界に浸っていたい……」と思ってしまう、不思議な中毒性がある作品です。4コママンガながら、ストーリーをうまくつなげてアニメ化もされています。原作とは少し違った魅力が味わえるので、原作を読み終えて喪失感に苛まれた方は、ぜひアニメもご覧ください。

もどかしさの中で輝こうとする姿が刺さる、1巻で完結の青春ストーリー

著:押見修造『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(太田出版)
著:押見修造『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(太田出版)

●押見修造『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』 全1巻

 最後は、押見修造先生が贈る短編『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』をご紹介します。押見先生が大得意としている、思春期の心情を描いた作品です。

 物語の主人公・大島志乃は、「人前でうまく話すことができない」という症状を抱えている女子高生。特に母音から始まる言葉が出にくいため、クラスの自己紹介で自分の名前をうまく言えず、皆に笑われてしまいます。

 そんななか、唯一普通に接してくれたのが、少し強気なクラスメイト・加代。彼女もまた、音楽好きなのに歌が下手というコンプレックスを抱えています。そしてふたりは、志乃がボーカル、加代がギターの音楽ユニット「しのかよ」として活動を始めることになるのです。

 このマンガは、思春期ならではの羞恥心やいざこざが描かれている一方、疾走感のある爽やかなストーリーとなっています。学生時代にうまくいかなかった人、コンプレックスを抱えた人、志乃と同じ症状を抱えた人。そういった人々は、引け目を感じながらも輝こうとする彼女たちの姿に心打たれることでしょう。

 高い評価を受けたこの作品は、2018年に実写映画化もされています。こちらも思春期独特の雰囲気が存分に出ていて最高なので、ぜひご覧ください。

(古永家啓輔)

【画像】映像化された5巻以内完結マンガの傑作といえば?

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