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【漫画】”悪”に憧れるタヌキ、悩む人間にトドメ? 結末はなぜか「ありがとう」

夜の都会に現れたのは、人間の姿をしたタヌキ。彼は偽善者が大嫌いで、人間の心をグチャグチャにするのが大好き。思い詰めている人間に近づいては、追い打ちをかけるのです……。奈川トモさんによるタヌキシリーズの愛すべき新キャラに、読者ほっこり?

”中二病”の愛すべきタヌキに読者ほっこり!

人間の心を乱すのが大好きなタヌキ(奈川トモさん提供)
人間の心を乱すのが大好きなタヌキ(奈川トモさん提供)

 夜の都会の街に現れたのは、人間の姿をしたタヌキ。彼の名前ははAZ(アズ)。偽善者が大嫌いで、人間の心をグチャグチャにするのが大好き。思い詰めている人間に近づいては「ブッ壊しちゃいなよ何もかも……」「君が消えても世界は回る」「いつ死んでもいいんだよ」などと言葉をかけるのです……。

 タヌキが人間を救うマンガ「タヌキシリーズ」をTwitterで定期的に投稿している奈川トモさん(@nagawatomo)による新作『人間を破滅へ誘う闇のタヌキ』が公開されました。今回、新キャラ「AZ」が登場し、”悪”になりたいのになれない、愛すべきキャラクターに「どんな悪いやつ、と思ったらどんでん返し」「かわいい」「ほっこり」などの声があがりました。
 
 作者の奈川トモさんに、お話を聞きました。

ーー『人間を破滅へ誘う闇のタヌキ』のお話はどのようにして生まれましたか?

 シリーズを通してメインキャラである「こがね丸」にとってライバルにあたるようなキャラクターを出したいなと思ってできたお話です。ただ本当に火花を散らしていがみ合うようなお話を読者さんはこの作品に望んでいないと思うので、笑える結末にしようと思いました。そういった経緯で実際に描いてみると、ライバルというよりも手のかかる近所の子供みたいな感じになってしまいましたが……(笑)。

ーー新キャラ「AZ(小豆丸)」がいいキャラクターですね。AZ(小豆丸)のキャラクター作りで工夫なさった点を教えて下さい。

 こがね丸とは真逆のキャラクター性をベースに考えたのが小豆丸です。こがね丸は人間が好きで落ち着きのある大人のタヌキなので、小豆丸は人間嫌いで精神的には若く、”悪”への憧れもあり……といった具合に考えていきました。そこにプラスして、愛されるギャップがあるといいなと思い、悪になりきれない情けなさも取り入れ……結果的に”中二病”になりました。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 これまで悪人らしいキャラがいなかったので、冒頭で不安に感じた読者さんもいらっしゃったと思うのですが、最後まで読んで小豆丸を気に入ってくださった方が多くてうれしかったです。また、小豆丸と関わった人間が元気になることで自分も元気をもらったという方や、情けない小豆丸にたくさん笑っていただけたのもうれしかったです。

 それと、毎回すごく細かいところまで見てくださる方もおられて、今回もこがね丸が小さく描かれている所など見つけてもらえたりするとうれしいです。

『タヌキに化かされた残念なお兄さん』(奈川トモさん提供)
『タヌキに化かされた残念なお兄さん』(奈川トモさん提供)

ーータヌキシリーズでは、以前投稿された『タヌキに化かされた残念なお兄さん』も大きな反響がありました。毎回、さまざまな境遇の人間が描かれていますが、タヌキシリーズを通して読者に伝えたいことはどんなことでしょうか?

 明確なメッセージ性のようなものは意識していませんが、登場人物の心の変動に共感や感動をすることで、泣いたり笑ったり元気になると思うので、読者さんの日常の栄養剤みたいになれたらうれしいなと思っています。

 それと、このシリーズを「優しい」とか「あたたかい」とおっしゃっていただけることが多いのですが、受け取り手によっては同じものを読んでも優しいとすら思わないと思うんです。ですので優しいと感じた読者さんの心が優しくてあたたかいんだと。感動できる心を大切にしてもらいたいなと思っています。

ーーTwitterで精力的にマンガを公開なさっています。創作するうえでの原動力になるものはありますか?

 何といっても読者さんからの応援や励ましの力は大きいです。かしこまった文章じゃなくてもいいんです。ポロっと放ったような言葉でも語彙力がなかったとしても、感想がいただけると本当にうれしく思います。

 もちろん、いいねしてもらえたり何かしらの反応をいただけるだけで、また頑張ろうという気持ちにさせてもらえるので、読者さんには感謝しかありません。いつもありがとうございます!

(マグミクス編集部)

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