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「ゲームマーケット2020秋」コロナ禍でも熱気あふれる会場、開催20年目で新たな課題も

勢いがある新ジャンル「マーダーミステリー」

アナログゲームの新ジャンル「マーダーミステリー」を扱ったサークルのなかで注目を集めていた「コノス」のブース
アナログゲームの新ジャンル「マーダーミステリー」を扱ったサークルのなかで注目を集めていた「コノス」のブース

 ボードゲーム『カタン』で知られるジーピーや、テーブルトークRPG『D&D』の販売を行っているホビージャパンなど、気合の入ったブース設営を行っている企業も多く、イベントを盛り上げていました。

 個人サークルが出展していたBホールは、従来よりも通路が広く取られるなど、密を避けるための工夫が随所に見られ、多くのサークルに展示されていたオリジナルのカードゲームやボードゲーム、またゲームに使用する小物など、創意工夫にあふれたさまざまな品物が会場を彩っていました。

 特に近年流行している、殺人事件を題材とした推理ゲーム「マーダーミステリー」を扱ったサークルは多くの人を集める傾向にありました。なかでも『氷の薔薇が溶けるまで』『猫が寝込んでトラブった』『玉座の闇シーズン3』『鬼哭館の殺人事件(土曜のみ)の4種類を委託販売していた「コノス」にはひっきりなしに来客が訪れ、マーダーミステリーが持つ勢いを感じさせました。

新型コロナの影響、小規模出展者にも…?

 ただ、従来の「ゲームマーケット」と比較すると、制限時間があるためか目的のブースを決めて早足で移動する人が比較的多く見られました。15日に出展していたTRPG支援ツール「Quoridorn(コリドーン)」の開発者、Hilltop氏も「去年と比べると足を止めて見てくれる人が明らかに少なくなりました」と語っています。

 おそらく、コロナ禍のなかで開催されるブース出展式の大規模イベントでは、もともとの知名度や、SNS・動画配信などを利用した事前の宣伝・広報の影響が強くなることを意味しており、今後はマンパワーが限られている小規模な出展者をサポートする何らかの対策が必要となるでしょう。

 今後も新型コロナウイルスの影響が再拡大するきざしがあり、関係するすべての方々が頭を痛める日々はまだまだ続きそうですが、それでも運営側・来場者ともに久しぶりの大規模イベントだったためか、会場は熱気にあふれ、多くの人がブース巡りを楽しんでおり、親子連れや海外の方の姿もしばしば見られました。筆者も、楽しいことだけを書ける日が1日も早く来ることを祈っています。

(早川清一朗)

【画像】『ゲームマーケット 2020秋』、感染対策実施でも熱気あふれる会場の様子(10枚)

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