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声優・井上真樹夫氏追悼 ハーロック、石川五ェ門…大人の男の生きざまを演じた

2019年11月29日、声優・井上真樹夫氏が狭心症で亡くなりました。80歳でした。『ルパン三世』シリーズの石川五ェ門(第2シリーズ以降)や劇場版『機動戦士ガンダム』のスレッガー・ロウ、『宇宙海賊キャプテンハーロック』のハーロックなど男の中の男を数多く演じ、少年たちに「男とは何か」を教えてくれた方でした。

声優・井上真樹夫が最後に演じたキャプテンハーロック

『宇宙海賊キャプテンハーロック』キャプテン・ハーロック役 画像は『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』DVD VOL.2(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))
『宇宙海賊キャプテンハーロック』キャプテン・ハーロック役 画像は『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』DVD VOL.2(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))

 11月29日は、2019年に狭心症で亡くなられた声優・井上真樹夫(いのうえ・まきお)氏の命日です。享年80歳。『ルパン三世』シリーズの石川五ェ門(第2シリーズ以降)や劇場版『機動戦士ガンダム』のスレッガー・ロウ、『宇宙海賊キャプテンハーロック』のハーロックなど“男の中の男”を数多く演じ、少年たちに「男とは何か」を教えてくれた方でした。

 筆者が子供の頃は、毎日のように井上氏の声を聞いていたように思います。繰り返し再放送されていた『ルパン三世(PART2)』では五ェ門が、またつまらぬものを斬っていましたし、『巨人の星』の花形満はひたすらに星飛雄馬と張り合い続け、『キャンディ・キャンディ』のアルバートは、ピンチに陥ったキャンディに何度も救いの手を差し伸べていました。

 ただ、この時期はまだ筆者が声優という職業を認識しておらず、これらの命をすべて井上氏が吹き込んでいたのを知るのは、ずっと後のことになりました。インターネットが普及してから初めて井上氏について調べたとき、子供の頃の自分のなかにどれだけ多くの井上氏が存在しているのかを知り、驚いた記憶があります。憧れのキャラクターたちの声の持ち主が既にこの世にいない、それはとても寂しいものです。

 井上氏の最後の仕事は、『スーパーロボット大戦T』に参戦した『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』のハーロック役だったことが明かされています。このとき井上氏は大変なこだわりを持ってハーロックを演じていたそうで、最後に「この歳になって、またハーロックを演じられるとは思っていなかった。ありがとう」とおっしゃられたそうです。ハーロックの相棒、トチローはかつて故・富山敬氏が演じていましたが、このときは山寺宏一氏が代役を務めています。ハーロックを演じたのが井上氏だと知った山寺氏は「おお!」と喜んだそうで、井上氏が後進の方々からも尊敬され、愛されていたことを容易に思い浮かべることができます。

【画像】声優・井上真樹夫が演じた男たち

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