『進撃の巨人』最終シリーズ目前! 巨人を描いた実写作品4選。作者に影響与えた作品も
TVアニメ『進撃の巨人』最終シリーズが、2020年12月7日よりNHK総合でスタートします。スケールの大きな巨人という存在は、人々に畏敬の念を抱かせると同時にさまざまなことを想起させます。原作者・諌山創氏に大きな影響を与えたSF映画をはじめ、巨人をモチーフにした実写作品を紹介します。
人間を捕食する巨人とは何者なのか
諌山創氏の人気マンガをTVアニメーション化した『進撃の巨人』の最終シリーズが、2020年12月7日(日)から始まります。巨人を倒すために立ち上がった主人公・エレンたちの戦いは、ついに終止符が打たれるのでしょうか。制作は劇場アニメ『この世界の片隅に』(2016年)を大ヒットさせた「MAPPA」が手掛け、NHK総合で毎週日曜の深夜12時10分~12時35分の放映となります。
諌山氏が2009年から連載を始めた原作は現在32巻まで発売され、累計発行部数1億部以上という大ベストセラーとなっています。高い壁に囲まれた街で暮らしている人類が、いつ巨人に襲われるか分からないという不安に怯えている様子は、さまざまな災害や危険が待ち受けている現代社会を連想させます。人間を捕食する巨人とは何者なのかという、深読みする面白さもあります。
注目のファイナルシリーズの放送を前に、“巨人”をモチーフにした特撮ドラマを振り返ります。
●『フランケンシュタイン対地底怪獣』
最初に紹介するのは、円谷プロが制作した日米合作映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965年)です。第二次世界大戦末期、ナチスは軍事開発した「不死の心臓」を、同盟国である日本に密かに運び込みます。不死身の兵隊を生み出そうという計画でした。広島に届けられた「不死の心臓」ですが、米軍が投下した原子爆弾によってその計画は消滅してしまいます。
戦後しばらくして、広島で浮浪児が見つかります。その浮浪児は「不死の心臓」を持ち、放射能を浴びても生き延びていたのです。「国際放射線医学研究所」に勤める季子(水野久美)が愛情を注いで育てますが、浮浪児は体がどんどん巨大化し、研究所から逃げ出してしまいます。攻撃しない限りは人間を襲わない心優しい巨人でしたが、どこにも居場所を見つけることができないという哀しい宿命を背負っていました。
異形の巨人の物語が好評を博したことから、姉妹編『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(1966年)も公開されました。巨人の細胞が善と悪とに二分し、サンダとガイラという2体の巨人が生まれることになります。
悪い巨人・ガイラが羽田空港を襲うシーンは、強烈なインパクトがありました。ガイラは逃げ遅れた女性職員を巨大な手でつかみ、食べてしまうのです。諌山氏は子供の頃に『サンダ対ガイラ』を観て、トラウマ級の体験になったそうです。『進撃の巨人』誕生に大きな影響を与えた作品だと言えそうです。