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32年前、子供たちが熱狂した「カードダス」誕生の瞬間。店頭では「暗黙のルール」も…

子供のころ、玩具屋の店頭でみな熱狂してダイヤルを回した「カードダス」。その成り立ちと思い出の数々を振り返ります。現在では当たり前の存在となった「カードダス」登場の背景は……?

「ビックリマンチョコ」のブームと入れ替わるように登場

2013年に稼働開始した、「カードゲーム カードダスファクトリー」。カード自販機が集合し、最新商品・最新情報の発信基地となるもの(画像:バンダイ)
2013年に稼働開始した、「カードゲーム カードダスファクトリー」。カード自販機が集合し、最新商品・最新情報の発信基地となるもの(画像:バンダイ)

 いまや誰もが知っているくらい当たり前となったカード販売機「カードダス」。今回はその歴史となつかしい思い出を振り返ってみたいと思います。カードダスが世に出たのは1988年のこと。その名前は当時、話題だったアメダス(地域気象観測所)にあやかって、子供たちの情報源を目指して名付けられたそうです。

 最初は10円玉を2枚、合計20円でカードが1枚出てくるという「カードダス20」でした。その後、1991年に100円玉1枚を入れてカードが5枚セットで出てくるという「カードダス100」が登場します。その理由は、両替にかかるコストの軽減などと言われています。さらに、下敷きサイズのカードが1枚出る「ジャンボカードダス」という商品も販売されました。

発表された当時は、まだ「ビックリマンチョコ」をはじめとするお菓子おまけのシールが乱立していて一大ブームを巻き起こしていた真っ最中でした。しかし、アタリであるヘッドが欲しくて何個も買って、おまけのシールだけ抜いてお菓子を捨ててしまう……ということが以前から社会問題となっていました。そのため、公正取引委員会からの指示で、シールの材質価値及び混入率を均一化するという指導を受けたのが、この1988年でした。

 このタイミングでリリースされたのがカードダス。それは、シールとカードという違いはあれど、お菓子を買わないで本命の商品が入手できるということで、子供だけでなく親も望んでいたシステムだったと思えます。

 また、当時のSDガンダムファンが集めていたガシャポンのシリーズでは、ひとつのカプセルにメイン商品であるふたつの塩ビ人形のほかに、カタログとおまけのシールが封入されていました。

 このおまけのシールはSDガンダムの生みの親である横井孝二画伯のイラストで、クスッとさせるひとコママンガのようなテイストが人気でした。このシールのほうをメインにコレクションしていた人もいたほどです。

 つまり、カードダスの販売は、このSDガンダムのイラスト目当ての層も取り込んでいきました。そして、材質を変えたビックリマンチョコのシールと入れ替わる形で登場したカードダスのプリズムは、子供たちにとって新しくも望んでいた「キラ」だったというわけです。

【画像】ワンピース、プリキュア…人気コンテンツなら何でもある「カードダス」(7枚)

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