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『北斗の拳』のザコキャラに学ぶ、トラブル回避術。悲惨な死に様に共通の「法則」とは

中途半端な「強さ」を過信するのも危険?

『北斗の拳』のザコキャラの死に様から学ぶトラブル回避術。続いては、第3巻に登場する「レイを襲った男」です。この男は、女に変装していた南斗水鳥拳の使い手・レイを見て「こいつはスゲエ美人だ。いい子にしてたら食料をたんまりやるぜ」という台詞を吐きながら襲い、見事返り討ちにあうという情けない死に方をします。『北斗の拳』では「女性や子供にひどいことをする奴」も、しっかり寿命を縮めます。

 一方、これまでとは少し違うパターンも。第6巻で登場する「半端に強い男」です。彼は敵キャラではなく、むしろ村を救いにやってきた良い人間。しかも、パンチの速さが時速200キロという、現代ではかなりの強さの持ち主です。ただ、このポテンシャルがあだとなり、アミバという悪いやつの実験台にされ、無残な死を遂げました。「半端な強さは時にいいように利用されてしまう」。現実社会にも起こりうることです。

 続いて、第7巻に登場する拳王偵察隊のひとり、「シーカー」。彼は偵察隊としては優秀で、ケンシロウたちに見つかることなく偵察するまでは良かったのですが、そこで欲をかいたのが運の尽きでした。「お前らの首を持って帰れば拳王様もお喜びになる」と言って姿を現して戦ってしまったことで、ケンシロウに棒で殴られ死んでしまいました。出すぎた杭は打たれる。上司のためとはいえ「自分のやるべきことを忘れた出過ぎた行為」は、トラブルの元になるのです。

 最後は、ザコキャラのなかでも有名な「でかいおばあちゃん」。老婆の店員に変装し、ケンシロウ達に毒入りの水を差し出しますが、すぐに見破られあっけなくやられてしまう悲しい男です。彼の間違いはずばり、「自分を客観的に見られなかったこと」。

 人間、目的を達成するために必死になることは大事ですが、冷静でいることを忘れてはいけません。実際ケンシロウからは「お前のような(でかい)ババアがいるか。化けるなら牛にでも化けるんだったな」とアドバイスされています。

 ザコキャラの死に様にもさまざまなドラマがある『北斗の拳』。これらから学べること、まだまだたくさんありそうです。

(吉原あさお)

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