【漫画】トラックにひかれ猫に! 拾い主と楽しく過ごすが…衝撃の真相に「知らぬが仏」
トラックにひかれたはずなのに、意識が戻ると猫の姿になっていて同僚の女性の家に! Fullさんが『ありがちなケモTF漫画』を発表しました。作品の説明文とは裏腹に、決して“ありがち”ではないラストが、読者に衝撃を与えています。
猫になって幸せに暮らすストーリーの“裏”
帰宅中にトラックにひかれたはずの主人公は、気が付くと猫の姿になっていました。意識のない間に、どうやら同僚の女性の家に拾われた様子。いつもは仏頂面の彼女が、猫になった自分に対しては、餌をくれたり猫じゃらしで遊んでくれたりと、存分に甘えさせてくれます。その幸せな状況に、主人公は「なんかもうみんなどうでもよくなってきた」と感じるようになりますが、実は……。
Fullさん(@yuigrinhall)が、Twitterで『ありがちなケモTF漫画』を公開しました。物語ラストのインパクトが強く、読者からは「こええええ」「ありがちなのか……?」といった感想が多数。また「本人(猫)が幸せならハッピーエンドですね」など、“メリーバッドエンド”と受け取った読者も複数いたようです。
作者のFullさんに、お話を聞きました。
ーーFullさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
そこまで特別な出来事はなく、“幼い頃にたまたま家にマンガがあったから何となく真似事のように描いていた”というごく平凡なきっかけからスタートしました。長方形の枠に入った“コマ割り”のあるマンガを意識し始めたのは、Twitterを知ってからのことです。
それからコミックマーケットなどの同人誌即売会に参加させていただくなかで、徐々に自分の描きたいモノを探り始め、一次創作をメインに描き始めました。最初期から現在までのイラストノートは、ほとんど自室に保管しているので、たまに昔の絵を見返しては面白がったりしています。
ーー今回のお話は、どのようにして生まれましたか?
Twitterを見ているうちに「画力よりも性癖が大事だ」というニュアンスのツイートが注目を集めているのを見付けて、ショックを受けたんですね。何せ一次創作をメインに描き始めてからそれまでは、目に映るほかの絵描きさんの絵がうらやましくて、ただただ画力を上げなければと思っていましたから。
いろいろと要因はありますが、自分の描きたいモノだけを描くことで、知らず知らずのうちに見てく下さる方を蔑ろにしていた部分もあったのだと気付くことができたんです。読者の視点と自分の描きたいモノとのギャップを埋めたい……それが今回のお話を描くきっかけになりました。
ーーFullさんのTwitterでは「朝起きたらケモノになっててくれ。全人類。」というツイートも印象的でした。Fullさんは、“ケモノ系キャラ”や“獣化”ジャンルのどこに魅力を感じていますか?
2020年から一次創作をメインに活動をさせていただく以前は、ケモノ系キャラクターの二次創作をメインに描いていました。その作品は、端的に言えば、人がケモノ系キャラになってしまう獣化シチュエーションのあるRPGで、たとえ姿形が変わろうと己の運命に立ち向かう姿に惹かれて描き始めました。容姿にとらわれない剥き出しの心、人の持ち得ない特性、またそれによる心の揺れなんかも魅力です。それを表現するために、ケモノ系キャラだけでなく人間を描く練習をしていました。
ーー今回の作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声があれば教えて下さい。
「癖」とひと言だけ、コメントをして下さった方がいました。実は以前にシチュエーションや性癖について相談した友人のひとりだったので、今回のマンガは半分課題作のような気持ちだったんです。なので「癖」というひと言は、及第点を達成したような、抱えていた課題を突破したような感覚でうれしかったのを覚えています。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
一次創作メインに活動を続行していくことは変わりないと考えています。実は一次創作をメインに活動を開始してから10か月、Twitterのフォロワーさんが1000人以上離れていってしまっていたんです。描いても描いても後退しているような日々……描くジャンルが変わるのですから当然です。しかし、そんな負の流れは、今回のマンガで断ち切ることができたのではないかと考えています。
今後の活動目標を取り繕わずに言えば「自分の作品でバズりたい」です。虎の威を借る狐だなんて誰にも言わせない。そして、見て下さる方にも、これから知って下さる方にも誠意を尽くせるようなクリエイターを目指して、今後も活動していきたいと考えています。
(マグミクス編集部)