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登場から30年の『ガンダム0083』 重厚なメカ描写とリアルなドラマで、今も視聴者を魅了

勧善懲悪でない現実感のあるドラマと、魅力的なキャラたち

「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY vol.3」DVD(バンダイビジュアル)。ジャケットに描かれるのはアナベル・ガトーとコウ・ウラキ、二ナ・パープルトン
「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY vol.3」DVD(バンダイビジュアル)。ジャケットに描かれるのはアナベル・ガトーとコウ・ウラキ、二ナ・パープルトン

 作品的な魅力といえば、ガンダム作品共通の善悪二元論とは違った対立構図が、より強調された点でしょうか。

『0083』でも主役側は地球連邦軍、敵役としてジオン軍(デラーズ・フリート)が対立します。しかし、連邦軍だから正しいわけでなく、その盤石な体制に安穏として危機意識の足りない無能ぶりを終始見せています。さらに、己の利権のために敵と内通し、多くの命を犠牲にする行動を取る者もいました。作品中のセリフにもある「腐った連邦」という言葉通りです。

 逆にジオン側は大儀や理想に殉じる潔さが描かれ、それまでの敵役にはない共感できる部分が演出されていました。ただし、自分の掲げる大儀のためにはどんな犠牲もいとわないという負の部分も描かれ、その行動をすべて支持できません。

「勝利者などいない」

 前半オープニングの、この歌詞が作品の本質を物語っています。

 それゆえラストはハッピーエンドとはいいがたいビターなテイストでした。納得できない歴史の1ページ。宇宙世紀の流れとしては、次の年代となる『機動戦士Zガンダム』での物語があるからこその結末です。その現実のような理不尽さに心ひかれるのかもしれません。

 このほか、メカやドラマだけでなく、キャラにも魅力がありました。

『0083』で一番人気のキャラといえば、やはり「ソロモンの悪夢」アナベル・ガトーでしょう。まさしく武人といった行動と言動を多くのファンが支持しています。その人気はガンダムシリーズ全体で見ても高く、NHKで放送した『全ガンダム大投票』のキャラ部門では8位にランクインしていました。

 常に暗躍していたイメージのシーマ・ガラハウですが、ファンが多いことで知られています。CDドラマなどで語られていた悲しい過去に魅力を感じる人も多いからでしょう。

 ガトーの陰になってしまった感のある主人公のコウ・ウラキですが、その成長度はガンダム歴代主人公の中でもひけを取りません。立派に主人公しています。それにニンジン嫌いがネタにされるところが可愛いと思いませんか?

 ほかにもバニング大尉たち「不死身の第四小隊」メンバーやシナプス艦長たちアルビオンクルー、デラーズ・フリートの面々など魅力的なキャラが多数いました。さまざまなキャラがひしめき合うリアルな人間ドラマを描く部分が、本作品の魅力のひとつになったことは間違いありません。

 しかし、筆者の一押しヒロインの二ナ・パープルトンは、昔から悪評ばかりで悲しい思いをしています。

(加々美利治)

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