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『エヴァ』で花開いた、声優・宮村優子の時代。歌手に役者に、いち早く「多才」を発揮

声優の宮村優子さんは、1995年に放送されたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で惣流・アスカ・ラングレー役を演じ大ブレイク、その後も数多くの役を演じる傍ら、歌手や役者、音響監督などさまざまな分野で才能を発揮し、現在は声優学校の講師を務めておられます。

宮村優子さんに熱狂した時代

ジャケットにアスカが描かれた、「新世紀エヴァンゲリオン DVD STANDARD EDITION Vol.3」
ジャケットにアスカが描かれた、「新世紀エヴァンゲリオン DVD STANDARD EDITION Vol.3」

 1990年代半ばから後半にかけては、それまでアニメや洋画、TVのナレーションなどをメインの活躍の場としていた声優が、ゲームや歌手活動、ラジオのパーソナリティなど、活動の場を大きく広げていった時代でした。専門誌も相次いで創刊され、声優のアイドル化が進むなか、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(エヴァ)の惣流・アスカ・ラングレー(以下、アスカ)役でブレイクしたのが宮村優子さんです。

 あの時代の宮村優子さんの人気は、いま今改めて考えてみてもすさまじいものがありました。『エヴァ』よりも半年早く放送が開始された『愛天使伝説ウェディングピーチ』で主役級の珠野ひなぎく / エンジェルデイジーを演じ人気を博しましたが、アスカ以降はまさに人気が爆発し、さまざまな作品で主役やヒロインを演じています。

 筆者も当時は「宮村さんが出るから」という理由で番組を追いかけており、『VS騎士ラムネ&40炎』のパフェや『エルフを狩る者たち』の井上律子など、さまざまなキャラクターで宮村さんの声と演技を楽しませていただいておりました。アスカの前に『勇者警察ジェイデッカー』でレジーナ=アルジーン役を演じていたことを知ったときに、知人友人をあたって録画している人を探し回ったのは、インターネット配信がない時代の大事な思い出です。

 また、ちょうどこの時期はアニメがTVの深夜枠に多く進出し始めた時期だったため本数自体も増加傾向にあり、人気のある声優さんは引っ張りだこの状況でした。ゲームのキャラクターに声がつくことも多くなり、声優さんの需要はさらに高まっていたのです。宮村さんも対戦格闘ゲーム『ストリートファイターZERO2』で春麗やローズの声を吹き込むなど、多くの仕事をこなしています。

 現代では声優が歌手として活動するのはごく当たり前ですが、当時はまだ過渡期と言える状況で、林原めぐみさんや椎名へきるさんが道を切り開いている真っ最中でした。宮村さんも1995年から歌手活動を行っており、1997年3月には『根性戦隊ガッツマン』(ファーストアルバム『ケンカ番長』に収録)をリリース、同作は後に島本和彦氏の手によりマンガ化されています。

【画像】声優・宮村優子さんの多才ぶりがよくわかる画像(6枚)

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