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TV放送『鬼滅』柱合会議 蝶屋敷編は、後になって分かる「大切な時間」が刻まれている

学園コメディに転調する「蝶屋敷」

栗花落カナヲが表紙に描かれる、『鬼滅の刃』第18巻(集英社)
栗花落カナヲが表紙に描かれる、『鬼滅の刃』第18巻(集英社)

 傷の治療をするため、炭治郎は蟲柱・胡蝶しのぶ(CV:早見沙織)の私邸、通称「蝶屋敷」で静養することになります。もう少しで蜘蛛にされるところだった我妻善逸(CV:下野紘)、自信喪失状態の嘴平伊之助(CV:松岡禎丞)も同室でした。「カマボコ隊」が再集結したことで、ここからは思いっきり学園コメディモードへと転調します。

 とりあえず傷の癒えた炭治郎は、機能回復訓練を受けることに。女の子たちと一緒に訓練できることが、善逸はうれしくて仕方ありません。炭治郎も剣士としてより強くなるために、「全集中の呼吸・常中」をマスターしようと鍛錬を重ねます。ハードな修行ではあるものの、十二鬼月との死闘が繰り広げられる『無限列車編』を前に、リラックスムードが漂う蝶屋敷編です。シリアスなバトルシーンとコメディパートとのメリハリのよさも、『鬼滅』人気の要因のひとつでしょう。

 蝶屋敷で見逃せないのは、女剣士・栗花落(つゆり)カナヲ(CV:上田麗奈)と炭治郎との再会です。蟲柱・胡蝶しのぶの「継子」に選ばれるほどの優れた能力を持つカナヲですが、表情の変化に乏しく、とても無口です。師範であるしのぶに指示されないと自分から言葉を発することもないカナヲに対して、炭治郎は優しく接します。「きっと、カナヲは心の声が小さいんだろうな」と炭治郎は、これからカナヲが心のままに生きるかどうかをコイン投げで決めようと持ちかけます。

 カナヲの運命を大きく揺さぶることになる名シーンです。名場面、名台詞の多い『鬼滅』ですが、コイン投げは炭治郎のポジティブな性格が全開となった屈指の名シーンではないでしょうか。

過酷な日々のなかに、笑いや希望を見い出す炭治郎

 鬼舞辻無惨(CV:関俊彦)を始祖とする人食い鬼たちとの壮絶な戦いが繰り広げられる『鬼滅の刃』ですが、過酷な日々のなかでも炭治郎は仲間たちと笑い、励まし合いながら友情を培っていきます。蝶屋敷で過ごした時間は、彼らにとって掛け替えのない青春の1ページとなっていきます。

 現実世界もいつまで続くか分からないコロナ禍によって、就職難や失業にあえぐ人たちが続出しています。派手な年末年始イベントができないことに、がっかりしている人もいるかもしれません。でも、厳しい生活のなかにも、何気ない喜びやささやかな希望があることを、炭治郎は気づかせてくれます。

 蝶屋敷での機能回復訓練を終えた炭治郎たちは、炎柱・杏寿郎のあとを追って「無限列車」に乗り込み、TVシリーズ第1期「竈門炭治郎 立志編」は終わりを迎えます。「無限列車」には十二鬼月のひとり・魘夢(えんむ、CV:平川大輔)が待ち受けており、これまで以上に炭治郎たちは肉体的にも精神的にも大きなダメージを受けることになります。

 炭治郎は数々の試練を乗り越え、どこまで大きくなるのでしょうか。TVシリーズ第1期&『無限列車編』に続く、シリーズ第2弾の発表がとても楽しみです。

(長野辰次)

【画像】『鬼滅の刃』フィギュアの人気ランキング。1位は9人の柱のうちのひとり(8枚)

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