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アニメと異なる道を進んだ、漫画『風の谷のナウシカ』。残酷さと絶望に挑んだ理由とは

次第に開いていく、アニメ版とマンガ版の距離

マンガ版『風の谷のナウシカ』第6巻(徳間書店)。ナウシカが解き明かした世界の秘密や、巨神兵の復活などが描かれ、第7巻のクライマックスへとつながっていく
マンガ版『風の谷のナウシカ』第6巻(徳間書店)。ナウシカが解き明かした世界の秘密や、巨神兵の復活などが描かれ、第7巻のクライマックスへとつながっていく

 マンガ『ナウシカ』では、トルメキア王国と宗教色の強い土鬼(ドルク)諸候国による戦い、トルメキア戦役が勃発しており、ナウシカが風の谷の代表として同盟国のトルメキア王国軍に従軍するのに対して、アニメ『ナウシカ』では土鬼諸候国の存在を省略し、トルメキア「帝国」が周辺諸国に侵攻している形になっています。

 それ以外に、マンガ『ナウシカ』では単行本6巻の終盤で覚醒する巨神兵の出番を、かなり前倒しにしてクライマックスに持ってきたことが挙げられますが、アニメ『ナウシカ』は、当時発表されていたマンガ『ナウシカ』における該当部分を圧縮して再構成した、乱暴な表現をすればダイジェスト的展開といっていいでしょう。

 しかし映画の公開後、連載が再開後のマンガ『ナウシカ』の物語は、ラストシーンの違和感を検証していくかのように、アニメのそれとは大きく異なる方向に進んでいきます。

 トルメキア王国のクシャナの隊に従軍したナウシカは、土鬼の地に渡り、過酷な戦争とその戦禍を目の当たりにすると同時に、土鬼たちが腐海の瘴気や王蟲さえも兵器として利用しようとしていることを知ります。

 その一方で、一般人の捕虜を労働力として自国に移送しようとするトルメキアにも憤りを感じ、その解放をクシャナに約束させて、ひとり旅立ちます。ナウシカは、かつて王蟲から南に助けを求める森があると告げられ、その森が、腐海が爆発的に拡大する伝説の災厄“大海嘯”と関係があるかどうか確かめたかったのです。

 その道中のオアシスで、ナウシカは土鬼の神聖皇帝に迫害され追放された僧侶と出会い、滅びは必然であり、戦争も大海嘯も世界が生まれ変わるための試練に過ぎない、と諭されます。そこにオアシスを瘴気が襲います。その瘴気は土鬼が封印された旧世界の技術で腐海の粘菌を特別変異させたものでした。その粘菌の暴走によって、大海嘯が引き起こされます。そしてさらに物語が進むと、ナウシカたちが住むこの世界の道理そのものが反転してしまうような事実が……。

【画像】アニメ『ナウシカ』でクライマックスとなった、王蟲の群れとナウシカのシーン(5枚)

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