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『ガンダム』12月31日は「一年戦争」が終わった日 破滅的な大戦争を振り返る

宇宙世紀0080年1月1日は地球連邦政府とジオン共和国の間で終戦協定が結ばれた日です。この日をもってほぼ1年間にわたって繰り広げられた破滅的な大戦争は終結しました。後に「一年戦争」と呼ばれた戦いについて解説します。

1週間で55億人が死亡した「一年戦争」

劇場版『機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編』DVD(バンダイビジュアル) (C)創通・サンライズ
劇場版『機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編』DVD(バンダイビジュアル) (C)創通・サンライズ

 TVアニメ『機動戦士ガンダム』(以下、ガンダム)で繰り広げられた戦いが「一年戦争」と呼ばれていることを知ったのは、『ガンダム』の再放送のループが途切れてから何年も経ってからのことでした。一年戦争という言葉が設定されたのは続編の『機動戦士Zガンダム』のときであり、筆者がガンダムを無邪気に応援していた時期にはまだ存在していなかったのです。

 さらには、一年戦争自体の設定が固まったのも、放送終了後から約10年が経過してから出版された書籍「ENTERTAINMENT BIBLE」シリーズです。それ以前にもムック『ガンダムセンチュリー』などで一部の日程や作戦が設定されたことはありましたが、書籍ごとに微妙に日程が異なるなど統一されたものではありませんでした。

 一年戦争が始まったのは、宇宙世紀0079年1月3日午前7時20分。ジオン公国による地球連邦政府に対する宣戦布告がすべての始まりとなりました。まず奇襲により地球連邦軍の部隊を撃破し、月面都市グラナダを制圧したジオン軍はさらに地球連邦側に付いたサイド1、2、4を襲撃し、コロニーを質量兵器として転用するために住民を虐殺します。このとき作戦に参加していた『機動戦士ガンダム0083』の登場人物であるシーマ・ガラハウ中佐は「毒ガスなんて知らなかったんだよ!」と叫んでおり、現場の将兵には毒ガスの使用は知らされていなかったことが伺えます。

 翌1月4日には南米ジャブローに存在する地球連邦軍総司令部に対し対しサイド2の8番コロニー「アイランド・イフィッシュ」を落下させる「ブリティッシュ作戦」が開始されますが、これは地球連邦軍の必死の迎撃により阻止されます。しかし、3つに分断されたコロニーは1月10日にひとつがオーストラリアのシドニーに落下、これが『ガンダム』冒頭のコロニー落下シーンに当たります。このときジオン軍のモビルスーツや艦隊はコロニーを護衛するという作戦の性質上自由に動けずに甚大な被害を受け、戦争前から十分な訓練を積んでいた貴重な将兵を失ってしまい、後の作戦に支障をきたしていきます。

 この時点で地球の総人口110億人のうち55億人が死亡していますが、戦いはまだ序盤にすぎなかったのです。

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