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【地上波初放送】新海誠監督『天気の子』に込められた、アニメ界の歴史を覆す決断とは

2019年に劇場公開された大ヒット映画『天気の子』が、2021年1月3日に地上波テレビで初オンエアされます。新海誠監督ならではの美しい景観やRADWIMPSの音楽に加え、主人公が物語終盤で下す決断が大きな話題となりました。賛否両論となったその結末には、アニメ史におけるひとつの挑戦がありました。

評価が分かれた、物語のクライマックス

劇場アニメ『天気の子』キービジュアル
劇場アニメ『天気の子』キービジュアル

 新海誠監督の長編アニメ『天気の子』が、2021年1月3日(日)の21:00~23:12に、テレビ朝日系でノーカット放映されます。2019年に公開された『天気の子』は、興収141.9億円を記録した大ヒット作です。今回のオンエアは、新海監督が監修した約1分間の「特別エンディング」にも注目が集まります。

 RADWIMPSが映画のために書き下ろした楽曲「愛にできることはまだあるかい」をはじめとする音楽も、大変な話題となりました。新海監督ならではの美しい景観も見どころですが、その一方では主人公の決断によって世界が大きく変わっていくというクライマックスは、観る人によって評価が分かれることになりました。

 地上波初オンエアとなる『天気の子』の、賛否両論となったポイントを探ってみます。

※記事後半で、物語の核心に触れる記述がありますのでご注意下さい。

雨空を晴天に変える不思議な力を持つ少女

 自主制作アニメ『ほしのこえ』(2002年)で商業デビューを果たした新海誠監督は、しばらくは知る人ぞ知る存在でしたが、東宝系で全国公開された『君の名は。』(2016年)は興収250億円のメガヒットを記録。一躍、「ポスト宮崎駿」と騒がれる注目の新世代クリエイターとなりました。

 それまでは若者たちの内向的な世界をナイーヴに描いてきた新海監督ですが、海外でも人気を呼んだ『君の名は。』から作風が変わります。美しい景観や作品の世界観にマッチしたミュージシャンの起用は変わりませんが、主人公たちは社会に向き合い、大きくコミットしていくようになります。

 東京を舞台にした『天気の子』は、家出少年の帆高(CV:醍醐虎汰朗)、弟とふたりっきりで暮らす少女・陽菜(CV:森七菜)を主人公にしたボーイ・ミーツ・ガールの物語です。常識的に考えれば家出はよくないし、保護者となる親がいないのなら児童相談所などに助けを求めるべきでしょう。でも、帆高も陽菜も常識には従わず、自分自身で判断して行動します。

 世間の常識に従っていれば、大きな間違いは犯さずに済むかもしれません。でも、帆高にも陽菜にも、常識に逆らってでも大切にしたいものがあったのです。

 東京の片隅で出会った帆高と陽菜は、陽菜の弟・凪(CV:吉柳咲良)も含め、3人で擬似家族のような生活を始めます。雨空を晴れに変えることができる陽菜の不思議な力を使って、生活費を稼ぐようになります。お金を得ること以上に、陽菜は自分の能力が誰かの役に立つことがうれしくて仕方ありません。陽菜の笑顔が、帆高と凪も幸せにします。3人の少年少女たちの自立した生活は、とても楽しそうです。

【画像】『天気の子』の裏側が分かる? 修正原画や企画書資料(7枚)

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