【漫画】町に大量発生したのはウイルスではなくて…コロナ禍ならぬ“お化け禍”の世界
お化けが町にあふれて、それまでの生活は一変! 外に出るのも躊躇しがちになって……。匙田洋平さんが、Twitterで『おばけ禍にて』を公開しています。コロナ禍に悩まされる現実とも照らし合わせて読める創作マンガです。
実害のない“禍”なら良かったのに…

新型コロナウイルス感染症の拡大により、以前とはガラリと変わってしまった人びとの暮らし。そんなコロナ禍に悩まされる現実とオーバーラップさせるかのように、匙田洋平さん(@spoonmanga1)が、創作マンガ『おばけ禍にて』をTwitterで公開しました。
この作品のなかで社会を大きく騒がせているのは、町を埋め尽くすほどの大量のお化け。読者からは「なんかいい」「世界観好きすぎるっっ」「絵がとても好き」などの感想のほか、現実と照らし合わせて「早くコロナ禍収まらないかな……?」というコメントも見られます。
作者の匙田洋平さんに、お話を聞きました。
ーー匙田洋平さんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
かなり小さな頃からずっと描いていて、大きくなってもやめられず、抜けられなくなりました。
ーー『おばけ禍にて』のお話は、どのようにして生まれましたか?
コロナが流行って、町中から人が消えて、でも少し経つとまたわらわらと出てきたりして、全員白いマスクなんかしてる様子とか、なんだかまるでお化けみたいだな、と。
それと、もとからうすうす思っていましたが、コロナがニュースを賑わせてから、本当に世の中がダメになったなと感じることが多くなって。特にコロナ関連の動きは、一歩引いて考えてみると、なぜか知りませんがデタラメなことばかり行われているように思えます。そういう感じもちょっとホラーっぽいな、と。
でも一方で、そんなデタラメ感とか不条理感って、自分はこっそり面白がってしまうところがありまして。この作品は、そういう感覚をマンガにしてみたという感じかと思います。そういう意味ではちょっと不謹慎ですけど、現実としては、シャレにならないですよね……本当に。
ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者からの声があれば教えて下さい。
自分のマンガにしてはすごい“反応”が多かったんですが、“声”となるとそんなに多くなかったかもしれません。でも、ひとりだけ「いろいろ考えさせられた」と書いてくれた方がいて、それはやっぱり、もちろん何を考えられたのか分かりませんが、でもこのマンガを描いて良かったなと思いました。

ーー現実の世界でも、2020年はコロナ禍で人間たちが右往左往する大変な年でした。匙田洋平さんにとっては、2020年はどのような年でしたか?
現状認識がすごく変わりました。なんだかんだ言っても同じような日常はずっと続いていくんだろうという感覚がありましたが、そうではなかった……。当たり前なんですが。
あまりにも世の中がお化け的なものですから、本当はいったい何が起きてるんだろうと思って、2020年は特にいろいろ本とか読みあさりました。なるほど、今までスルーされてたり、誤魔化してきたことがすべて露呈してるんだなと思いました。
でもきっと私が気付くのですから、同じようにいろいろなことに気付いた人は多いでしょうし、ここからみんなが気付けば、少しは世の中も良くなるのでは……とも思います。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
ずっと自主連載している『夜のロボット』という長編マンガが、2020年11月に第3部が終了したところで休止しているのですが、休止してる間に少し別のマンガを描きたいと思って描いたのが『おばけ禍にて』です。『夜のロボット』は、ここまで全60話あるのですが、機会があったらぜひ読んでみて下さい。
現在もいくつか短いモノを制作中なので、これからもTwitterを含めて、いろいろな場所で発表できたらなと思っています。ただ、『夜のロボット』もあまり休んじゃいけないとも思ってますので、再開したら短編のほうはなかなか頻度が落ちるでしょうけど。
●匙田洋平さんnote
https://note.com/spoon220304921
●ニコニコ漫画『夜のロボット』
https://seiga.nicovideo.jp/comic/24346
(マグミクス編集部)