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『仮面ライダー』のショッカー三大幹部。昭和の子供が熱狂した、共通の魅力とは?

「仮面ライダー」シリーズでは作品ごとにさまざまな悪の組織が登場しますが、なかでも最も有名な敵組織といえばやはり、“せまるショッカー、地獄の軍団”と歌われたショッカーでしょう。ショッカーを率いた三大幹部は、悪役ながら子供たちを熱狂させた希有な存在でした。その魅力に迫ります。

カードブームも牽引した、地獄の軍団「ショッカー」

初代大幹部のゾル大佐は変身すると狼男に! 画像は「仮面ライダー E-CRAPHICS CARD 11ゾル大佐&怪人狼男」(バンダイ) (C)石森プロ・東映
初代大幹部のゾル大佐は変身すると狼男に! 画像は「仮面ライダー E-CRAPHICS CARD 11ゾル大佐&怪人狼男」(バンダイ) (C)石森プロ・東映

 いつの世も、ヒーローが輝く陰には強大な敵の存在があります。記録的大ヒットとなった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』でも、十二鬼月上弦の参“猗窩座”という敵があってこそ、炎柱・煉獄杏寿郎はあれほどまでに輝いたのではないでしょうか?

 1970年代から今に至るまで、子供たちのヒーローであり続ける仮面ライダーも、その人気を支えてきたのは強大な敵である怪人たちと言えるでしょう。

 1971年から1973年にかけて放送された『仮面ライダー』では、改造人間を使って世界征服を狙う謎の組織“ショッカー”が登場しました。当時、仮面ライダースナックのおまけとして付いてきた「ライダーカード」が大ブームとなりましたが、主役の仮面ライダーもさることながら、一体一体の造形が秀逸な怪人たちの人気もすさまじいものがありました。

 時には、まだテレビに登場していない怪人カードが入っている場合もあり、子供たちはカード集めに血道をあげました。カードほしさのあまり、スナックは食べずに捨てるという現象まで現れ、社会問題にもなったほどです。

 敵のなかでも特別な存在だったのが、怪人たちを統率する三人の“大幹部”です。ショッカーの中ボス(ショッカーは国際組織なので「日本支部指揮官」という役職)という、悪役中の悪役ながら、子供たちをも熱狂させたその魅力はどんなところにあったのでしょうか? 

●冷酷な指揮官だが最後は自ら戦った「ゾル大佐」

 初代大幹部である「ゾル大佐」は、“その名を聞き、姿を見た者は必ず死ぬ”と言われたほどの実力者として中近東支部から日本へ派遣されてきた大幹部です。失敗した者は許さないという冷酷さと、部下の服装が少しでも乱れていようものなら厳しく叱責するという真面目さを持つ、軍人気質でした。

 人間態として部下を率いていましたが、実はゾル大佐も他の怪人と同じく改造人間で、最後には「狼男」という正体を現し、仮面ライダー2号と戦って散りました。

【画像】悲しき「ショッカー」戦闘員、やられ役だがCMでは大活躍…?(7枚)

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