猫にまさかの「2021年問題」発生!? 愛猫家が絶望する日は防げるか
漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ『妄想猫観察』。過去にちょっとした騒動となった「2000年問題」。猫にもそんな恐ろしい日がやって来る可能性も……?
2020年まで猫をご愛顧いただき…

あけましておめでとうございます。
2021年になってしまった。
昨年は、動くに動けず色々なことが停滞していた年だった。取り巻く環境だけがめまぐるしく変わり、なんだか随分、寄る辺のない一年だったように思う。
で、あるならば。やはり引き続き、変わることない不動の真実である「猫」を生きるよすがにしようと思う。猫が一緒に年を越してくれるのか心配だったので『行く年来る年』を観つつ観察していたが、2021年になってもうちの猫がうちの猫であり完璧なふわふわ生命体であるということには変わりない。これ以上にめでたいことはない。いきなり吐いた毛玉すら愛おしいというものだ。
年越しに猫をガン見していて思い出したのだが、昔「2000年問題」というのがあった。コンピュータに内蔵されている日付設定が2000年代に対応していないので、2000年になったら世界は大変なことになっちゃうのでは? というあれだったか。テレビでわぁわぁと騒いでいたような記憶がある。色々と事前準備を行ってくれていた人たちがいたのだろう、結局はそれほど大きな問題にはならずコンピュータは2000年以降も動き続けている。実はそれを契機に狂ったAIが水面下で人類滅殺計画をスタートさせているのかもしれないが、それはそれというもんだ。
問題を把握してなんとかしなくちゃと行動している勤勉な人たちがいるのなら、案外世界はなんとかなると信じたい。楽観がすぎるだろうか。とはいえ悲観しても、神は来たれりとかなんとか旗振って出歩くくらいしかやることないだろうから、それよりは楽観でいいだろう。医療従事者やいまこの瞬間対策に追われている人たちの邪魔にならないようにだけはしたいものだ。
いずれにせよ、猫が次の年に対応しているかどうかを心配する勤勉な人類の役目は、今後も自分に任せておいてもらいたい。
良い年になりますように。
(迷子)