マグミクス | manga * anime * game

「魔の1月」と呼ばれた、富野監督作品の奇妙な共通点。「打ち切り」は解消したが…

アニメファンなら誰もが知る、『ガンダム』をはじめとする富野監督のロボットアニメ作品。しかし、奇妙な共通点がありました。一部のアニメファンから「ジンクス」と言われたその共通点とは…?

『ガンダム』に続き『イデオン』も…

『機動戦士ガンダム』は1979年4月に放送開始、翌1980年1月に放送終了となっている。画像はDVD「機動戦士ガンダム I」(バンダイビジュアル)
『機動戦士ガンダム』は1979年4月に放送開始、翌1980年1月に放送終了となっている。画像はDVD「機動戦士ガンダム I」(バンダイビジュアル)

『機動戦士ガンダム』(以下ガンダム)をはじめとする人気アニメ作品を多く手掛けた富野由悠季監督。その富野監督の作品には、一時期ひとつの「ジンクス」がありました。それは、たいへん不名誉な「1月に作品が打ち切りになる」というものです。はたして事実なのか検証してみましょう。

 富野監督の初監督作品は、1972年にTV放送された手塚治虫のマンガが原作となったアニメ『海のトリトン』です。その後、いくつものアニメ作品の監督をしていますが、打ち切りになった作品はありません。はじめて打ち切りになった作品、それが『ガンダム』でした。

『ガンダム』が打ち切りになった原因は、スポンサーが販売するオモチャの売り上げが悪かったことと言われています。その結果、本来は1年4クール全52話の予定だった『ガンダム』は1月放送分、全43話で終了することとなりました。

 ちなみに打ち切り決定後、年末商戦用に発売された「Gアーマー」の売り上げが好調で、打ち切りの撤回がスポンサーから打診されますが、すでに製作は進んでいて延長できなかったといいます。

 富野監督は『ガンダム』の時間枠で放送された後番組『無敵ロボ トライダーG7』ではメインスタッフから外れました。しかし、斧谷稔名義で絵コンテにのみ参加してします。このほかにも『ザ・ウルトラマン』、『宇宙大帝ゴッドシグマ』にも絵コンテで参加していました。

 そして3か月ほどの空白期間を経て、東京12チャンネル(現在のテレビ東京)で『伝説巨神イデオン』(以下イデオン)の総監督を担当します。

 しかし、この『イデオン』も打ち切りが決まってしまいました。その最終回放映となったのが、またしても1月だったのです。

 一部のファンから「魔の1月」と言われるのも仕方ありません。偶然とはいえ、2作品続けて1月に打ち切りだったのですから。ともに放送当時からアニメファンの注目が高かっただけに、富野監督作品にとって嫌なジンクスと頭のどこかに刻まれたのかもしれません。

 この後、1年ほど富野監督の新しい作品はTVでは見られなくなりました。その理由は、ファンの人気に応えた形で『ガンダム』と『イデオン』が劇場版として製作されることになったからです。

【画像】多いのは偶然?必然? 「1月終了」の富野監督アニメ作品(6枚)

画像ギャラリー

1 2