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【シャーマンキング30周年への情熱(23)】明かされた「グレートスピリッツ」の新設定を考える

講談社「少年マガジンエッジ」で連載中の「シャーマンキング」シリーズ作で、新たな設定と歴史が語られています。「グレートスピリッツ」と私たちの住む世界とのつながりも想起させる展開、そして明かされたX-LAWSの活動……それぞれを読み解いていきます。

グレートスピリッツの「クラウド」とは……?

本編でグレートスピリッツの基本概念が語られた『SHAMAN KING KC完結版』第13巻(講談社)
本編でグレートスピリッツの基本概念が語られた『SHAMAN KING KC完結版』第13巻(講談社)

 2021年が始まり早くも半月が経過しました。今年もよろしくお願いします! 今回は、昨年12月に発売された「少年マガジンエッジ」1月号の『THE SUPER STAR』の話題からいきましょう。

 本連載の第19回で「非常に重要なことを描いている回」だと述べたのですが、そのひとつが「クラウド」と並行世界の概念です。元々グレートスピリッツ(G・S)は、地球56億年の記憶そのものにして、全ての魂の源であると説明されています(『SHAMAN KING KC完結版』第13巻参照)。

 それは「麻倉葉たちが生きる時代につながる地球の歴史」を全部保存している意味だと思っていたら、それだけではなく「もしかしたらそうなっていたかもしれない世界の歴史」をも含めた、全ての並行世界の情報が保存されていた可能性が示唆されています。つまり「原作の歴史では存在しない人びとの魂」もそこにある可能性が出てきたわけです。

 これは極論ですが――原作の世界には、筆者をはじめ皆さんの多くは存在していないはずですが、G・Sが全ての並行世界の情報を持っているとしたら、あそこには「私たちが生きているこの世界の人びと」の魂もあるかもしれませんよね? 私たちはまだ生きていますが、ご先祖様の魂はあそこにあるかもしれず、G・Sを通して私たちはシャーマンキング世界とつながっているかもしれないわけですよねっ!?

 今回の説明では、「クラウド」とはG・Sにアクセスして得られる自分自身とされていて、自分を中心に前後左右上下にある並行世界からそれを持ってくるとのこと。

 ただし、優れたシャーマンである玉村たまおは、これに加えて斜め方向も対象とできたそうです。その結果、27人分の巫力を合計することができたのですが、これ、他人を引き出すことはできないのでしょうか? また保存データなら過去の人物(子供の自分を含む)でもいい?

 このあたりの詳細はまだ不明で、いろいろ疑問も出てきますが、ただ一気に幅が広がったことは間違いなく、そしてそれが神々の代理戦争「フラワー・オブ・メイズ」で必要となる力なのです! 今後の展開が楽しみです!!

【画像】気になる『シャーマンキング』の新設定、参照すべき本は…?(5枚)

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タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k