酷評されたが魅力もあった『ガンダム一年戦争』 “バンダイナムコ”設立のきっかけにも…?
「胸アツ」の戦いを再現できるのは嬉しい

ちなみに『ガンダム一年戦争』のゲーム内容は、あくまでも「アムロ目線」で一年戦争を戦うというものになっているのですが、たとえば最初の「大気圏突入」や「ガルマ死す」でのニューヤークでの戦いや、『連邦VSジオンDX』と違って、キッチリ宙域での戦闘となる「ソロモンでのビグザム戦」など、ガンダム・マニアなら唸るほどの再現度になっている点は評価すべき部分です。
加えて、それら戦闘シーンの要所で劇中と同じ「メモリアルアクション」を決め、ハードモードをクリアすれば「フルアーマーガンダム」や「ジムスナイパー」、「アレックス」などのMSVや、OVAに登場した機体が使えるようになることも“胸アツ”ポイントとなっています。
特に、ハードモードでの脚がついた『パーフェクト・ジオング』を相手に『フルアーマーガンダム』で戦えば、講談社「コミックボンボン」で1982~1986年に連載された『プラモ狂四郎』の世代は、ある種の感慨を覚えるかもしれません。
結果として「100万本のミリオンヒット」を狙ったにも関わらず、実際の販売本数は初週15万本、累計でも33万本ほどだったという『一年戦争』ですが、それゆえに現在でも中古で多く流通する、手に入れやすいソフトになっています。
またこのソフトをキッカケにして2005年に「バンダイナムコホールディングス」が設立され、“動くガンダム”を実現させた『ガンダム GLOBAL CHALLENGE』の代表理事をバンダイナムコエンターテインメント社長の宮河恭夫氏が務めていることを考えると、『ガンダムゲーム史』を語る上で、やはり意味のある1本といえるのではないでしょうか?
(渡辺まこと)