自粛生活で再びブームの「リリアン」 昭和女子が熱中、でも「遊び方」がちょっと違う?
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、「おうち時間」を楽しもうと、手芸を始める人が増えています。初心者に人気なのは、100円ショップなどでも手に入り、簡単に編み物ができる「リリアン」。1970年代に女の子たちのあいだで爆発的に流行った懐かしのリリアンが、いま再び脚光を浴びています。
手芸初心者でも簡単にできるのが魅力

「コロナ禍」でステイホームが求められる今、おうち時間を少しでも楽しく過ごそうと、手芸を始める人が増えています。もともと、ハンドメイド作品を扱う通販サイトは、あたたかみのあるオンリーワンの品を求める人たちに大人気でしたが、自宅で過ごす時間が増えた今だからこそ、自分の手でも作ってみたいという気持ちが高まってきたのでしょう。
とはいえ、手芸初心者にとって、いきなり細かなテクニックが必要とされるものでは敷居が高く感じてしまいます。ということでビギナーに人気なのが「リリアン」です。
編み機に糸をかけて編み棒ですくうという簡単な作業で、ひも状の編み物ができるもので、手芸入門にはピッタリ。編みあげた紐をアレンジすれば、あみぐるみやアクセサリーなども作れて、簡単なのに達成感も十分です。道具は、手芸店はもちろん100円ショップでも手に入るため、気軽に試せてハマる人が急増中。最近では「リリアン」専門の手芸本も出版されています。
この「リリアン」、実は1970年代に女の子たちの間で大流行した玩具だったこと、ご存じですか?
そもそもこの編み物玩具(現在は大人にも楽しみが広がっていますが、当時は少女たちの玩具でした)、「リリアン」という名前で覚えていたものの、「リリヤン」とも呼ばれていたような……?
どちらが正しいのか調べてみたところ、「リリヤン」とは、人造絹糸(レーヨン)を細く編み込んだ手芸用の紐のことで、大正12年に京都のメリヤス職人さんが発明したものなのだそうです。そして、このリリヤン糸を筒状の編み機(編み機自体は「ニッチング」と呼ばれます)で編む手芸が「リリアン」だそうです。糸が「リリヤン」、手芸が「リリアン」。もっとも最近ではリリアン糸だけでなく、毛糸などを使って編むことも多いようですね。
現在のリリアンはさまざまな作品が作れるように、編み機も楕円形だったり、直径が手の平サイズよりも大きかったりと、選ぶのに迷うほどの種類が出ています。一方1970年代、女の子たちの間で爆発的に流行った当時は、縄跳びの持ち手のような筒状のもののみだったと記憶しています。玩具屋さんだけでなく、駄菓子屋さんやお祭りの屋台でも売られていたものです。