マンガ『無能の鷹』に社会人は救われる…欠点をもつ者同士が組めば「なんとかなる」?
講談社「Kiss」で連載中のマンガ『無能の鷹』は、いわゆるお仕事マンガです。主役は、それぞれ致命的な欠点を抱えたふたり。彼らが一緒に商談に向かった瞬間、読む者に勇気を与えてくれる物語が動き出します。
有能に「見える」無能と、コミュ障の有能がコンビを結成
各界のマンガ好きが選ぶランキング『このマンガが凄い!2021』<オンナ編>の11位に選ばれた『無能の鷹』(作・はんざき朝未)は、いわゆるお仕事マンガです。主人公は就職が決まったコミュ障の男性鶸田(ひわだ)。彼が勤める会社の面接で出会ったのが、鷹野(たかの)という女性でした。
彼女は誰が見ても感じられるような「デキるオーラ」を身にまとい、鶸田からは上司あるいは会社の役職があるような、仕事ができる女性に見えたのです。
ところが、いざ鶸田が入社して鷹野と一緒に仕事をするようになると、鷹野が実は全く仕事ができない、いわゆる無能な人間であり、会社では「社内ニート」と呼ばれていることを知ります。どのくらい無能なのかというと、PCが使えるかどうか以前に、算数ができない、漢字が読めなくて資料が読めない、印刷すらまともにできない……というレベル。
鷹野本人は、同僚などからそのように呼ばれたり、上司たちが鷹野のクビについて話したりしていることを知っていながら、会社を辞めようとしません。「私が会社を必要としているから」と言うだけ。
そんな鷹野にうんざりしていた鶸田ですが、営業職の彼はまったく契約を取ることができません。コミュ障であり、緊張すると腹痛を起こすことが災いし、相手にわかりやすく説明することができなかったのです。
そんなふたりが、会社で一緒に行動することになります。ある日、流れで鷹野と一緒に商談に向かうことになり、いつものごとく腹痛を起こした鶸田は資料を鷹野に渡し、先に訪問先へと向かわせます。
その直後、鶸田のスマホには鷹野から「漢字が読めない」などのメッセージが入り、鶸田は肝を冷やしますが、いざふたりで商談を始めると、鶸田はいつもと違ってスムーズに会話をすることができ、あっという間に契約が取れてしまったのです。