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『呪術廻戦』元ネタの数々 両面宿儺は「日本書紀」に登場する人物だった

アニメ第2クールも絶賛放送中の『呪術廻戦』。タイトル通り「呪術」をテーマとしており、日本書紀や仏教などを設定に活かしている部分が多々あります。そんな元ネタの数々を作中の設定と比較しながらご紹介します。

『呪術廻戦』には、「歴史書」や「仏教」から引用した設定が満載

著:芥見下々『呪術廻戦』第14巻(集英社)
著:芥見下々『呪術廻戦』第14巻(集英社)

「週刊少年ジャンプ」で連載中のダークファンタジー作品『呪術廻戦』。シリーズ累計発行部数は2000万部を突破、TVアニメも第2クールが放送中と、勢いに乗っている作品です。

 タイトル通り「呪術」をテーマにしている本作品。そのストーリーのなかには実際の歴史や神話が織り交ぜられており、技名や敵キャラである「呪霊」にも明確な元ネタが存在しています。今回は、そんな元ネタと作中の設定を比較しながらご紹介。作りこまれた設定の奥深さを知ることで、『呪術廻戦』をよりディープに楽しみましょう。

●両面宿儺は「日本書紀」に登場

 主人公・虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)の体に宿っている「両面宿儺(りょうめんすくな)」は、作中で圧倒的な力を持つ“呪いの王”。呪術高専の教師・五条悟(ごじょう・さとる)は両面宿儺について「腕が4本、顔が2つある仮想の鬼神。だがそいつは実在した人間だよ」と解説しています。

 そんな両面宿儺ですが、実際に歴史書『日本書紀』の敵役として登場しているのです。飛騨の国に存在していた「宿儺」は、頭の前後両面に顔を持つ異形の人間です。合計8本の手足を持ち、足は膝の裏のくぼみやかかとがありませんでした。剣術に優れ、4本の腕で弓矢を2つ同時に操り、その強大な力で王権にも逆らっていたといいます。

 外観については、「呪術廻戦」の宿儺とほとんど一致しています。また、アニメでも領域展開によって特級呪霊を魚のようにおろしていましたが、「剣術に優れていた」という元ネタの情報を取り入れているのではないでしょうか。

●漏瑚と五条悟の領域展開は“仏教用語”から

 特級呪霊・漏瑚(じょうご)の領域展開は「蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)」。この技名はふたつの言葉に分けることができ、「蓋棺」は「遺体を入れる棺のフタを閉めること」、つまりは「死」を意味しています。

「鉄囲山」は仏教に関する言葉です。「世界の一番外側にある鉄でできた山」のことで、すべての世界を鉄囲山が囲んでいるという説もあります。

「蓋棺鉄囲山」は火山のようなもので相手を取り囲み、並みの術死なら焼き殺してしまう領域展開。イメージにぴったりの言葉が使われています。

 五条悟の領域展開「無量空処(むりょうくうしょ)」も、仏教に関連する言葉です。「空無辺処(くうむへんしょ)」とも呼ばれ、「物質的存在がまったくない、空間の無限性を悟る修行の境地」のことを差します。

 この領域展開は、引き込んだ相手に無限回の知覚・伝達を強制し、行動不能にしてしまいます。何もできずに固まっている状態が、「修行の境地」のようなものだという表現でしょうか。

 後半では、まだアニメ化されていない部分を含めた元ネタをご紹介します。

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