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PS2『鬼武者』20周年 金城武が主役、戦国サバイバルアクションの本質とは

2001年1月25日、カプコンからプレイステーション2用ソフト『鬼武者』が発売されました。プレイヤーは明智光秀の甥である「明智左馬介秀満」となり、人類に敵対する「幻魔」と戦います。左馬介役として、俳優の金城武さんが起用されたのも話題に。

『バイオハザード』から生まれた戦国サバイバルアクション

プレイステーション2用ソフト『鬼武者』(カプコン)
プレイステーション2用ソフト『鬼武者』(カプコン)

 醜悪な魑魅魍魎が占拠する城内へ押し入り、「お命頂戴」と迫りくる怪物を問答無用で斬り伏せる。「空前絶後のバッサリ感」と銘打たれたプレイステーション2(以下、PS2)用ソフト『鬼武者』は、本日めでたく20歳の誕生日を迎えました。

 本作は2001年1月25日にカプコンより発売されたアクションゲームです。舞台は戦乱うごめく中世日本。プレイヤーは明智光秀の甥である「明智左馬介秀満」(以下、左馬之助)となり、人類に敵対する「幻魔」との戦いに身を投じていきます。幻魔退治のカギを握るのは「鬼の篭手」を用いた”魂の吸収”。左馬之助は倒した幻魔から魂を回収することができ、鬼の篭手で吸い取った幻魔の魂と引き換えに武器強化や体力の回復が行えました。

 最初期は前世代ハードのプレイステーション用ソフトとして立ち上がった『鬼武者』。しかし当時のスタッフ陣が対応プラットフォームを急きょ変更したため、次世代ハードにあたるPS2でのシリーズ展開を見据えて開発が続行。諸般の事情の末にリリースされた後、PS2用ソフト初の国内売上100万本を超える大ヒットを叩き出したほか、冒頭で流れる美麗なオープニング映像(監督:佐藤嗣麻子)はアメリカのCGコンテスト「SIGGRAPH 2000」で最優秀賞に輝きました。

 そんな『鬼武者』が、同社の人気シリーズ『バイオハザード』(以下、バイオ)と同じ開発エンジンによって生み出されたのは有名なエピソード。その名残は初代『バイオ』を彷彿とさせるキャラクターの移動方法(いわゆるラジコン操作)、並びに各エリアごとの固定カメラ視点から伺えます。ゾンビから逃げ延びる「サバイバルホラー」(『バイオ』)と、幻魔を討ち滅ぼす「サバイバル戦国アクション」(『鬼武者』)。ゲームシステムや世界観こそ違いますが、『バイオ』シリーズから派生する形で生まれたのが『鬼武者』なのです。

『鬼武者』で特にフィーチャーされていたのはメレーアクション(近接戦闘)で、刀剣を使った戦闘に焦点が置かれていたと記憶しています。敵の攻撃をヒット直前に防いで必殺カウンターを繰り出す「一閃」、そして鬼力を消費して解き放つ属性攻撃「戦術殻」はその最たる例。プレイ中のゲーム画面は『バイオ』風ながらも、”敵に近づいて能動的に攻撃できる”ゲームシステムが組み込まれていました。

 特に一閃は本作を形容する代表的な攻撃アクション。発動タイミングのコツさえつかめば、痛手を負うことなく幻魔を葬りさることができます。こうしたポイントに着目すると、『鬼武者』は『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』や『ダークソウル』シリーズといったメレーアクションゲームの先駆けであった……と言えるかもしれません。

実在の俳優・金城武を主人公に捉えた意欲作

 上述のメレーアクションに加えてもう1点注目すべきポイント。それは”主人公・左馬之助のモデル”です。主人公と言えばゲーム内世界を生き抜くファクターであり、実際に多くのユーザーがコントローラーを通して触れる作品の顔。その主人公の3Dモデルを製作する際、カプコンの開発陣は芸能人を大々的に抜擢しました。

 鬼の一族から打倒幻魔の願いを託され、鬼武者として幻魔王「フォーディンブラス」との決戦に臨んだ左馬之助。彼を演じたのは俳優の金城武さん。本編中のキャラクターボイスはもちろんのこと、金城さんはキャラクターの動作を特徴づけるモーションキャプチャーとフェイシャルキャプチャーも全て担当。キャラクター同士が会話を繰り広げるイベントシーンでは、金城さんとそっくりの左馬之助が言葉を発し、感情や語気に応じて表情も変化します。金城さんの起用は発売当時から話題を集めたこともあり、リアルタイムで遊んでいたユーザーなら「鬼武者=金城武」という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

「鬼武者」シリーズはその後も実在人物の起用を継続。『鬼武者2』の故・松田優作さん(タレントのハードボイルド工藤さんが声を担当)に『鬼武者3』のジャン・レノさん等々、国内海外を問わず著名な人物がキャラクターモデルへ魂を注ぎ込み、次々に現れる幻魔と死闘にもつれ込みました。

 成人を迎えた「鬼武者」シリーズはここ数年動きを見せていなかったものの、新規ボイスを収録したリマスター版が2018年12月に発売。原点である「空前絶後のバッサリ感」は令和の時代でも変わらずに味わえます。

(龍田優貴)

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