『鬼滅の刃』を制作したufotable作品5選。設立20年、いかにして日本屈指のスタジオに?
TYPE-MOON作品のアニメ化で大躍進
●『劇場版 空の境界』(2007年~2013年)

『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』と同じ2007年の12月から公開された『劇場版 空の境界』シリーズが、現在のufotableのシリアスな作風への大きな転機となります。『劇場版 空の境界』はTYPE-MOONの奈須きのこによる小説を原作とする劇場アニメで、全7章と終章、外伝的な『未来福音』まで含めて2013年まで展開されます。
“直視の魔眼“を持つ両儀式という少女が怪異や魔術師と戦う物語は難解ながら、それだけに元々の読者だけでなく、その深遠な世界観にハマる人が続出しました。この作品は「Amazon Prime Video」「バンダイチャンネル」「FODプレミアム」などで観ることができます。
●『Fate/Zero』(2011年、2012年)

『劇場版 空の境界』から始まった、ufotableによるTYPE-MOON作品のアニメ化プロジェクトの第2弾。のちに『魔法少女まどか・マギカ』を手がける虚淵玄が書いたゲーム『Fate/stay night』のスピンオフ小説をアニメ化したもので、ufotableにとって初めての2クール作品でした。
7人の魔術師とそれぞれが召喚した英霊(サーヴァント)が万能の力を持つ聖杯を求めて争う聖杯戦争のうち、第四次聖杯戦争の模様が苛烈に描かれた本作は大きな話題作に。2014年・2015年に放送された『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』、2017年から公開された『劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]』シリーズといった関連作も含め、ufotableによるアニメ「Fate」シリーズは2010年代を代表する作品となりました。この作品は「dアニメストア」「NETFLIX」「Amazon Prime Video」などで観ることができます。
●『活撃 刀剣乱舞』(2017年)

日本刀を擬人化した“刀剣男士”を育成するシミュレーションゲーム『刀剣乱舞』のアニメ化作品。ufotable初の時代劇チックな世界観のアニメでしたが、『鬼滅の刃』でも特に高いクオリティで人気の第19話「ヒノカミ」の演出・絵コンテを務めた白井俊行さんが監督を務めており、迫力のアクションシーンをたっぷりと楽しめる作品でした。この作品は「dアニメストア」「Amazon Prime Video」「バンダイチャンネル」などで観ることができます。
このような傑作の制作を重ねてきたうえで『鬼滅の刃』が制作されたと知ると、また違った見方ができるのではないでしょうか。これらの作品を入り口に、アニメファンに愛される“ufo作品”をぜひ楽しんでいただけたらと思います。
ufotableの今後については2021年夏発売のゲーム『月姫 -A piece of blue glass moon-』のオープニングアニメを担当することが発表されているくらいですが、かつてアニメ化が明かされた『ガールズワーク』も含め、また多くのアニメファンを魅了する新作の登場を楽しみに待ちましょう。
(はるのおと)