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「休載」が長すぎる名作マンガ3選。ハードワークの漫画家を応援したくなる…?

締切に追いつめられた漫画家の最後の手段、それが“休載”です。今回は「休載が多いマンガ」のなかでも、屈指の名作を3本ご紹介します。作品のクオリティを保つためだと考えれば、休載も許せるようになるのではないでしょうか。

休載は多くとも名作……物語の完結が待ち遠しい!

 マンガ家と言えば、「締切に追われて何日も徹夜」といったハードワークのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。映画製作に置き換えて考えると、「脚本、監督、役者、美術をすべてひとりでやっているようなもの」という例えもあります。

 そんなマンガ家たちが追い込まれた末の、やむを得ない決断のひとつが“休載”です。今回は、「休載が多すぎるマンガ」のなかでも、屈指の名作を3本ご紹介していきます。一般的には「怠け」のような見方もあるかもしれませんが、休載はさまざまな事情によるもの。物語の続きを待ち望むファンのなかには、いっそう作者を応援したい気持ちになった方も多いのではないでしょうか?

●『ベルセルク』 緻密すぎる描き込みが作業を過酷に…?

『ベルセルク』現時点での最新巻となる第40巻(白泉社)
『ベルセルク』現時点での最新巻となる第40巻(白泉社)

 まずはじめにご紹介するのは、日本を代表するダークファンタジー作品『ベルセルク』。三浦健太郎先生が1989年より連載をスタートしましたが、休載も多く、今なお完結する兆しが見えていません。

 本作は主人公・ガッツの復讐の旅を描いた物語です。“鉄塊”ともいえるほど巨大な剣を振り回し、「使徒」と呼ばれる怪物を殺戮する姿はまさに狂戦士。妖精が登場するといったファンタジー要素もありながら、グロテスクで重厚な世界観が魅力の作品です。

 作中の序盤からラスボスとして示唆されているのが、ガッツが過去に因縁を持つ「グリフィス」というキャラクター。彼は物語のキーマンである、「ゴッド・ハンド」と呼ばれる5人の超越者のなかのひとりです。しかし、連載から30年以上経っていますが、5人の「ゴッド・ハンド」はいまだに誰ひとり倒されていません。

 現時点の最新刊40巻の発売は2018年9月、そして次巻の41巻は「発売未定」となっています。これほど休載が多いのは、作品の魅力である緻密な描きこみが原因とも言われています。

 巻末の作者コメントでは、過去に「ひと月半で外出できたのは、ジョナサンでメシくった2時間だけ」「あちこちガタがきてる」といった発言もあり、クオリティを上げるため全力で制作に取り掛かっているものの、連載に追い付いていないのではないでしょうか。三浦先生は現在54歳、体力的な無理をされずに、物語が完結するよう願うばかりです。

●『ヒストリエ』 歴史ものは考証も大変……?

『ヒストリエ』現時点での最新巻となる第11巻(講談社)
『ヒストリエ』現時点での最新巻となる第11巻(講談社)

 続いては、大ヒット作『寄生獣』で知られる岩明均先生の歴史マンガ『ヒストリエ』です。2003年から連載を開始していますが、かなり休載が目立つようになっています。歴史上に実在する人物の生涯を描いた作品だけに、まだまだ物語の先が長いことがわかっている作品です。

 主人公・エウメネスは、アレクサンドロス大王に仕えた古代ギリシアの人物。人並外れた頭のキレと度胸を備えたエウメネスの生涯を、生い立ちの部分から描いた壮大な作品です。歴史マンガでありながら会話のノリは現代的で読みやすく、特別大きな盛り上がりがあるわけではないのに、読み始めると止まらなくなります。

 しかし、連載開始から約18年が経ちますが、まだアレクサンドロスが王にすらなっていません。アレクサンドロス大王と言えば、戦術の天才として次々に領土を広げ、大帝国を築いた人物。つまり『ヒストリエ』の物語もまだまだこれから、というところだと思われますが、この連載ペースで完結するのか、いささか心配になってきます。

 岩明先生はアシスタントをつけていないと言われており、それが休載の多い原因のひとつではないかと考えられます。『ヒストリエ』は時代考証も必要ですから、なおさら時間がかかってしまうことでしょう。

【画像】他にもいろいろ…「長期休載」の人気マンガ作品(4枚)

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