謎が謎呼ぶ『エヴァQ』金ローで放映 ループする物語を生きるシンジの行方は?
「金曜ロードSHOW!」では、3週連続で『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を放送しています。2020年1月29日の放送は、シリーズ第3弾『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』。ループするかのような過酷な運命を生きる14歳の少年・碇シンジは、同作からループの輪を外れた道を進むことになります。「エヴァ」が現実世界に与えた影響を振り返ります。
ファンを困惑させた、謎だらけの第3弾

まさにクエスチョンの嵐。ミステリアスなストーリーや数々の裏設定で、熱狂的なファンを生み出した『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京系)。物語を新たにリビルドした新劇場版の第3弾となる『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 』(2012年)が、2021年1月29日(金)の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で放映されます。謎だらけの内容ながら、シリーズ最高となる興収52.6億円を記録しています。
先々週、先週と「金ロー」で放映された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(2007年)、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2008年)は、1995年~1996年に放映されたTVシリーズや旧劇場版(1997年)をアレンジしながらも、同じ物語をループするかのような作品となっていました。しかし、『エヴァ:Q』からはループの輪を外れた、まったく異なる展開が待ち受けています。主人公の碇シンジ同様に、困惑したファンが続出しました。
1月23日に公開される予定だった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う非常事態宣言のために公開延期となりましたが、今回は『エヴァ:Q』の気になるポイント、さらに大ヒットした「エヴァ」シリーズが社会に与えた影響を振り返りたいと思います。
14年経っても少年のままのシンジ
汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン初号機に乗っていたシンジ(CV:緒方恵美)は、衛星軌道上の巨大な十字架のなかに凍結された状態でした。式波・アスカ・ラングレー(CV:宮村優子)が乗るエヴァ改2号機、真希波・マリ・イラストリアス(CV:坂本真綾)が乗るエヴァ8号機によって、シンジと初号機が回収されるシーンから『エヴァ:Q』は始まります。
シンジが目を覚ますと、そこは葛城ミサト(CV:三石琴乃)が艦長を務める巨大戦艦「AAAヴンダー」のなかでした。シンジは状況がまるで理解できません。シンジが綾波レイ(CV:林原めぐみ)を救おうとしてから、すでに14年の歳月が経っているというのです。でも、シンジは少年のままですし、アスカは眼帯姿になっているものの少女のままです。アスカいわく「エヴァの呪縛のせい」だそうです。しかも、ミサトたちは、かつて所属していた「ネルフ」を殲滅させるための新組織「ヴィレ」として戦っていたのです。
自分の居場所が「ヴィレ」にはないことを悟ったシンジは、父・碇ゲンドウ(CV:立木文彦)がいる「ネルフ」へと戻ります。しかし、「ネルフ」のあった第三新東京市は荒廃し、人影はありません。綾波レイにそっくりな少女・アヤナミレイ(仮称)はいますが、以前の綾波とは別個体のようです。
ピアノを弾く美少年・渚カヲル(CV:石田彰)から説明され、シンジはようやく事態を呑み込みます。綾波を救おうとしたシンジは、ニアサードインパクトを引き起こし、人類を全滅寸前に追い込んでしまったのです。自分がやらかした事実に、驚愕するシンジでした。
アスカが語った「エヴァの呪縛」とは? 碇ゲンドウを「ゲンドウくん」と呼ぶマリは、何者なのか? そして、ミサトたち「ヴィレ」は人類補完計画を阻止することができるのか? シリーズ完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 を楽しむためにも、『エヴァ:Q』は見逃せない内容となっています。