『仮面ライダーアギト』放送20周年。平成ライダーの「スタンダード」確立した意欲作
『アギト』が後の平成シリーズに残したもの

本作から顕著になったことといえば、1話完結でない連続ストーリーの様相が強くなったことです。
連続ストーリーは前作『仮面ライダークウガ』から導入されていましたが、本作では多くの伏線や謎が散りばめられ、それが次第に解けていくという展開で物語が進んでいきました。
記憶喪失の主人公、目的のわからない敵・アンノウン、あかつき号事件とは? ひとつの謎が解けても新たな謎が現れるというミステリー要素が視聴者の目を釘付けにします。
また特徴的な点といえば、本作以降は4作ほど各話にサブタイトルがありません。これはチーフプロデューサーの白倉伸一郎さんが「サブタイトルが嫌い」だからだと言われています。
そしてエンディングが廃止されました。これは、後のシリーズでは『仮面ライダー響鬼』(途中からエンディングは省略)と、現在放映中の『仮面ライダーセイバー』以外には踏襲されています。この分の時間は本編に回されていました。代わりに、劇中で使われていた挿入歌がエンディングという扱いでクレジットされています。
この本編に流れる挿入歌は戦闘シーンを盛り上げる役目を存分に果たし、エンディング並みの知名度がありました。カラオケで定番曲にしている人も多いです。
その戦闘シーンも、キックでとどめを刺すという王道的な戦い方のアギト、さまざまなアタッチメント武器で戦うG3(-X)、咆哮するなど野性味あふれる戦い方のギルスと、それぞれの戦い方を見せて好評でした。
平成ライダーで、はじめて夏の劇場版が製作されたのも本作です。東映創立50周年記念作品でもありました。ここで登場したG4は、はじめての劇場版オリジナル平成ライダーです。
番組後半にはアギトは新フォーム「シャイニングフォーム」となりますが、このようにデザインが大きく異なる強化形態になるというのも前作まではなく(クウガのアルティメットフォームへの変身は1話のみだった)、以降の平成シリーズでは中盤以降の強化形態が定番になっていきました。
また、同じく後半では「アナザーアギト」という第4の仮面ライダーが登場、そのインパクトから熱烈なファンを生みます。しかし、商品化されないゲスト扱いで終わってしまいました。放送終了後の現在はバンダイなどで商品化されているようです。
こうして数々の話題と後のシリーズに引き継がれるパターンを生み出した本作の平均視聴率は、平成シリーズ最高の11.7%という、唯一の二ケタ台をたたき出します。
この数字を見ると、本作の成功がなければ平成ライダーは現在のように定番化されてシリーズとはならなかったかもしれませんね。
(加々美利治)