『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎の“刺さる”名言 コロナ禍で沈む現代人の心に灯した炎
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で活躍した炎柱・煉獄杏寿郎。その言葉や生き様は、炭治郎の成長につながるものでした。作中キャラクターたちだけでなく、現代人の心にも刺さった、煉獄さんの名言を振り返ります。
「無限列車編」煉獄杏寿郎の名言の数々
※この記事には『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の核心に関わる記載があります。未視聴の方はご注意ください。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の重要キャラクター、炎柱・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう/CV:日野聡)。日本国内の歴代興行収入1位という記録を打ち立て、関連書籍やコラボグッズなどの売り上げに貢献した彼は、「日本経済の柱」とまで呼ばれました。
「煉獄さん」とファンに親しまれる彼は、劇中で多くの名言を残しました。竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助ら登場キャラクターの成長をうながしただけでなく、煉獄さんの言葉は現代人の心にも光を灯したからこそ、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は日本のアニメ史に残る名作となったのでしょう。劇中の名言、煉獄さんの生き様を振り返ります。
●「強さというものは 肉体に対してのみ使う言葉ではない」強さを求めるも、鬼にならなかった煉獄杏寿郎
「みな無事だ!」
「下弦の壱」である魘夢(えんむ/CV:平川大輔)を倒すも、重傷を負ってしまった炭治郎を安心させるかのように、笑顔を向けた煉獄さん。しかしそこへ、「上弦の参」猗窩座(あかざ/CV:石田彰)が現れます。
猗窩座がまず狙ったのは、手負いの炭治郎。煉獄さんがすぐさま応戦し、「柱」と「上弦の鬼」が激突します。
煉獄さんの練り上げられた強さに惚れ込んだ猗窩座は「お前も鬼にならないか?」と誘います。鬼になれば年を取らず若いままいくらでも強くなれるというのです。
「昨日の自分より確実に強い自分になれる」
そう炭治郎に語った煉獄さんなら、“無限の時間”の素晴らしさは理解できることでしょう。若いまま、ずっと鍛錬を積むことができれば、どれほど強くなれるでしょうか。
それを知っていて、なお、煉獄さんは言うのです。
「老いることも死ぬことも 人間という儚い生き物の美しさだ」
煉獄さんがそう言い切れるのは、母の生き方を見たからでしょう。煉獄さんの母・煉獄瑠火(れんごく・るか/CV:豊口めぐみ)は、死を前にして愛しい息子に毅然と告げたのです。
「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」
「強く優しい子の母になれて幸せでした。あとは頼みます」
煉獄さんの母親も、まだ小さい息子たちを残して死にたくないはずです。それでも、泣き言を言わず、残される息子に対して毅然とふるまい、「幸せでした」と言い残しました。
その母を見ていたからこそ、煉獄さんは言うのです。
「老いるからこそ 死ぬからこそ 堪らなく愛おしく 尊いのだ。
強さというものは 肉体に対してのみ使う言葉ではない」
そして煉獄さんは、鬼という老化もなく、重傷もすぐに治癒してしまう存在と戦います。しかも相手は上弦の参。自身の片目を失い、もはや治らないけがを負っても煉獄さんは言い放つのです。
「俺は俺の責務を全うする!! ここにいる者は誰も死なせない!」
柱合会議の際、煉獄さんは尊敬するお館様の意見でも、自分の意思と反すれば率直に断りました。ですから、愛する母の言葉であっても納得できなければ受け入れなかったでしょう。煉獄さんが「強いものとして弱いものを助ける」のは、自分自身で選んだ道なのです。