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大人女子は観るべき!映画『セーラームーン』が教えてくれる、たった一つの「力の源」

2021年1月から前後編に分けて上映される『美少女戦士セーラームーンEternal』は、新旧ファンを喜ばせる要素を満載し、25年ぶりに登場した『セーラームーン』の劇場アニメです。かつて少女だった大人世代に、同作は何をもたらしてくれるのでしょうか。

今作の主題は、永遠のテーマ「夢」

『美少女戦士セーラームーンEternal《前編》』ポスタービジュアル (C)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会
『美少女戦士セーラームーンEternal《前編》』ポスタービジュアル (C)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」製作委員会

 2021年1月8日から公開されている劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal《前編》』は、1995年12月公開の『美少女戦士セーラームーンSuperS セーラー9戦士集結! ブラック・ドリーム・ホールの奇跡』から約25年ぶりの劇場アニメ作品です。数多くの少女マンガとともに、小学生時代から『美少女戦士セーラームーン』を追いかけてきた少女マンガタレントの別冊なかむらりょうこさんに、熱く語っていただきます。

* * *

 25年ぶりにスクリーンに帰ってきた『美少女戦士セーラームーンEternal《前編》』を、先日ひとりでフラペチーノを片手に観賞してきました。その映像と内容に、小学生の私と今の私が共鳴し、涙腺が大崩壊。エンドロール後、溶けたフラペチーノを再度袋に入れて劇場を立ち去る……という経験をしてきました。

 基本的には原作と変わらない物語なのに、今だからより響くこの内容、そして新しい映像は、セーラームーン世代の私たちだからこそ観るべきなのかもしれません。

 2月11日(木・祝)からは《後編》の公開が控えていますが、今作の内容をいま一度おさらいしていきたいと思います。

『美少女戦士セーラームーン』は、原作マンガ、アニメともに1992年に始まり、一大ブームが巻き起こりました。2012年には20周年、2017年には25周年を記念したプロジェクトも立ち上がり、ミュージカル、コンサート、ファンクラブやグッズと、セーラームーンは近年新たな盛り上がりを見せ続けています。

 2014年には新作アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』がWebアニメとして始まり、原作マンガをもとにしたその内容は人気を博し、第3期は最初から地上波で放送されます。その続きにあたる第4期「デッド・ムーン編」が、今回の劇場版『美少女戦士セーラームーン Eternal』です。

「デッド・ムーン編」と聞いて、覚えがある方も多いのではないでしょうか。原作マンガでいうところの12巻~15巻、アニメでいうところの『セーラームーンSuperS』が、今作の内容にあたります。

それぞれのセーラー戦士に訪れる試練

 今作の最大のテーマは、「夢」です。幼き日に見ていたセーラームーンの大人っぽさは、今の私たちに刺さります。

 日本で起きた今世紀最大の皆既日食。うさぎたちの前に現れたペガサスの姿をしたエリオス。そして新月が太陽を完全に覆い隠し、東京が闇に包まれると「デッドムーン・サーカス団」を名乗る飛行船が現れます。彼らの目的は……そして謎の病に侵された衛の病状は? それぞれのセーラー戦士に訪れる試練に彼女たちは打ち勝ち、再結集できるのか……?

 この戦いのなかで、セーラー戦士たちは何度も敵の悪夢に晒されます。そして、問われるのです。

 あなたの本当の夢は何?
 私はこんなことをしていていいの?
 私は今まで本当に頑張ってきた?

 自分でしか探し出せない答え。この悪夢は誰が見せているものなのでしょうか。

 仲間を信じて疑わない心は誰が作り出せるものなのか。自分を見失いながらも、未来に臆さず、過去に引っ張られることなく、今すべきこと、今あるものたちへの想いを強めていく。

 セーラー戦士たちが自身と敵に打ち勝ち、新たな力を得ていくシーンは、涙なしでは見られません。

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