【声優・本多真梨子のマンガ愛(21)】『魔女の心臓』 泣いて発散してほしい!500年の物語
マンガをこよなく愛する声優、本多真梨子さんが、心からおすすめしたいマンガを紹介します。21回目は、とにかく泣けて、繰り返し読める作品。かわいい主人公が、500年の時を旅する物語です。
500年もの間、「終わり」を探し続ける物語

本日ご紹介する作品は、本多が何度も何度も読み返しているマンガです。大好きなマンガです……!
最終巻を読み終えた時、こんなにも切なくて悲しいのに、多幸感を感じた物語は他にない!! とにかく泣ける!!! 最後は嘘だろってくらい涙がボロボロ出てきました!!!!
人と会う機会が少ない今。ストレス発散のためにも、泣くってとってもいいと思います! ぜひこのマンガ読んで泣いて欲しい……!
matoba先生の『魔女の心臓』。
500年の時を歩いてきた、心臓のない境界(あわい)の魔女ミカ、しゃべるランタンのルミエールとともに、自分の心臓を持ち去った妹のニナを探して旅をする物語。
あらすじは簡潔ですが、中にものすごく詰まっているんですわ……。500年っていう膨大な時間を考えると、マンガに描かれていない部分にも、たくさんの物語があったんだろうなぁって想像してしまいます。
物語は1話で完結するお話が多く、幸せな話や明るい話ももちろんありますが、この「魔女の心臓」の世界、ただのファンタジー世界ではなく、とても現実的で理不尽な世界なんです。間に合わなくて、救うことはできなくて、たくさんの死を見つめ続けてきた魔女とランタンの旅。
私、この旅のなかで、魔女ミカが全てを救わないところが好きで。止めることができた場面もあえて何も言わないという選択を取ってるんです。ミカが「彼女が自分の意思で選択したから。そこには正しさも誤りもない」と言っていたのが、印象深いです。
ミカは、知らない所に飛ばされて、人と出会って、認めてもらえて、何も知らない場所から自分の居場所ができて、けれど、大事な人を失って、居場所がなくなって……出会って、失って、出会って、失って……。
ひとつのところに留まることのできない不老不死の身体。そんな魔女の500年を考えたら、本当に心がギュッと苦しくなります。
正直ですね! めっちゃ暗いお話多いです! 読んだ後は重い気持ちにもなったりするのですが、そんな悲しい結末を迎えてしまった者たちのために、なんと、救済措置があります!! 最後のおまけページとカバー裏を見ると、その面々が「全ては撮影でした!」の体でミニマンガになってます(笑)
それを見ると何だかホッコリして、少し幸せな気持ちに! matoba先生のこの救済措置マンガ、すごく良いです……!! 発想が新しくて驚きでした!!!
コミックス冒頭のページはカラーページもあって豪華仕様! カラーでマンガが始まるってテンション上がります!! 最終巻となる8巻の表紙も大好きです。紙に穴開くほど見つめました!!!