『シン・ウルトラマン』に登場のネロンガとガボラ 庵野秀明氏が「最初に」見せた意味は?
ネロンガとガボラの共通点。それは、ともに同じ着ぐるみから生まれた関係です。詳細は以前に筆者が「マグミクス」で書いた記事「歴代ウルトラ怪獣に秘められた「大人の事情」。微妙に似てるのになぜ違う名前?」をご覧いただければと思います。着ぐるみが同じものだったという話は、ウルトラシリーズが好きな人なら説明不要。ファンのなかには「何をいまさら……」という方もいるでしょう。
つまり、このようなネロンガとガボラの共通点を庵野さんが知らないわけがない。ということは、意識して出した。そこに意図があると考えられます。
例えば、同じ系統のマグラーの登場もあるかもしれません。いや、ひょっとしたらウルトラマンと戦ったことのない『ウルトラQ』のパゴスも可能性があるかも……と心躍ります。昨年の『ウルトラマンZ』 に二度も登場していたので、不思議ではありません。
もっと意外な展開として、これら怪獣たちの原点である地底怪獣バラゴンが登場してウルトラマンとファイトしたら……と、さらなる妄想が止まらなくて困ります(笑)。
しかし、ここまでは筆者でも想像できること。あの庵野さんがこの程度の想像できる範囲のことをするとも思えません。つねにファンの想像を裏切り、アッとおどろく展開を見せてきているので、それ以上の仕掛けが用意されている可能性は否定できないでしょう。
そう思った時、『シン』の意味が「進化」とかだったら……? そう脳裏によぎりました。
実際、タイトルの「シン」の意味はいまだに発表されていません。庵野さんだから「シン」と名付けたのだろうと疑問に思わなかったのですが、この言葉に意味があるとして、それが「進化」だったとしたらと、考えを巡らせました。
ひょっとしたら、バラゴンを始祖とする怪獣がウルトラマンに倒されるたびに進化していくのでは? そんな妄想が浮かんだのです。
あくまでも筆者のつたない妄想ではありますが、上映までの短いようで長い時間、みなさんも『シン』についていろいろと想像するといいかもしれません。それが、庵野さんの製作する作品の楽しみ方のひとつではないかと思うからです。
(加々美利治)