マグミクス | manga * anime * game

【漫画】死後の魂の前に、天使と悪魔が登場 生前の“善行”が少なすぎて悲惨な地獄へ…

飛び降り自殺で“魂”になった人間に、天使が生前の記録を読み上げ。善行の少なさに本人も驚いているところへ、悪魔たちが登場して……。新國みなみさんが独特な世界観の『AandD』シリーズの新作を公開しました。

天使と悪魔に独自の新解釈もミックスさせた創作マンガ

天使の記録によると生前の善行が少ない…(新國みなみさん提供)
天使の記録によると生前の善行が少ない…(新國みなみさん提供)

 とある天使が“担当”してきた人間が飛び降りで“魂”に。天使は“魂”の生前の善行の記録を読み上げますが、その内容はとても些細なもので数もあまりにも少ないようです。そこへ悪魔たちが現れて……。

 新國みなみさん(@nikkuni373)が、創作マンガ『魂の回収』を発表しました。設定が興味深い作品で、あわせて公開されたおまけマンガも楽しむことができ、読者からは「ゆる地獄のゆるさ大好き」「やっぱ天国も地獄も、いい人には良いところなんだな」などの感想が寄せられています。

 作者の新國みなみさんに、お話を聞きました。

ーー新國みなみさんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。

 京都精華大学でマンガを学んでいて、卒業制作で描いたマンガが小学館の編集者の目に留まりスカウトされたのがきっかけです。「月刊!スピリッツ」にその卒業制作を描き直した『誤植の弟』が掲載されデビューし、その後同誌で連載もしました。

ーー『魂の回収』は『AandD』シリーズの最新作ですが、まずはあらためてこのシリーズのご紹介をお願いします。

『AandD』は地上に住んでいる天使ハニエルと、その家に遊びに行くのが大好きな悪魔サタナキアのふたりを中心に描いた日常コメディです。聖書や民間伝承として伝わる天使と悪魔がたくさん登場する群像劇でもあり、シリアスなエピソードも存在します。男同士の親密な友情関係、いわゆる“ブロマンス”を要素として取り入れています。

天使の後に悪魔がやって来て…(新國みなみさん提供)
天使の後に悪魔がやって来て…(新國みなみさん提供)

ーー『魂の回収』のエピソードは、どのように生まれましたか?

 天使と悪魔に関する資料を探していたところ、とある本に「死んだ人間の魂を迎えにきた天使と悪魔が、天国と地獄どちらがその魂に相応しいか話し合う」という小話が載っていて、天使も悪魔もお互いに敬意を払っていたのが印象的だったので、そこからこの話を思いつきました。

ーー作品に対する読者からの反応で、特に印象に残った声があれば教えて下さい。

『魂の回収』に対しては「やむにやまれぬ事情で地獄行きになってしまった魂にも救いが用意されていて心が温かくなった」という感想がうれしかったです。シリーズ全体に対しては「久々にどっぷりハマれるマンガに出会えた」と言っていただけるのがありがたく、ファン同士で登場人物の心理や設定を掘り下げて語り合ったりしてるのを見ていると本当にうれしくなります。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

『AandD』は現段階でまだ構想の1割ほどしか形にできていないので、Twitterでは長く公開していくことになると思います。同時に出版社ともやり取りしていて単行本化を進めているので、書店でも買えるようにしていきたいです。そのほか企業とのコラボグッズ企画も進行中で、そういった外部からの持ち込み企画も積極的に受けていきたいと思っています。

 基本無料でWeb公開しているので、今の収入源は主に『AandD』の同人版である自費出版の書籍の売上と、クリエイター支援サイトのpixivFANBOXでの支援金となっています。今後はその資金を活用して、新たな仕事場を借りてアシスタントを雇い、『AandD』の制作スピードを上げていこうと考えています。

(マグミクス編集部)

【マンガ】“悪行”の記録のユニークさにも注目 本編を読む

画像ギャラリー