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押井守監督『攻殻機動隊2.0』がBSで放送、フェイクニュースの時代を予見?

押井守監督の代表作であるSFアニメ『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0』が、BS12で2月21日に放送されます。独特な哲学や思想が織り込まれた押井監督作品ですが、『攻殻機動隊』は世界各国でヒットしたことで知られています。都市型テロの危険性を予見した『機動警察パトレイバー2 the Movie』と同様に、ネット時代を先取りした『攻殻機動隊』の魅力を探ります。

米国でビデオチャート1位に輝いた、SFアニメの金字塔

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』DVD(バンダイビジュアル)
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』DVD(バンダイビジュアル)

 大ヒット公開中の実写映画『花束みたいな恋をした』に、俳優として出演しているアニメ界の巨匠・押井守監督。主人公たち(菅田将暉、有村架純)の恋のキューピッド役を務めています。同作では主人公たちから「神」と崇められる押井監督ですが、そんな押井監督を誰もが巨匠監督と認めた作品が、1995年に日本、米国、英国で同時公開された劇場アニメ『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』でした。

 士郎正宗原作の『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』が大きな注目を集めたのは、実はビデオ化された1996年になってから。米国の業界誌「ビルボード」で、週間ビデオチャートの1位を獲得。この快挙を伝えるニュースによって、日本でも逆輸入的に押井監督のネームバリューは高まることになったのです。

 ジャパニメーションの代名詞ともなった『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』は、さらに最新のデジタル技術によって音響、色彩、一部の映像をリニューアルした『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0』(2008年)として生まれ変わりました。2021年2月21日(日)の夜7時からは、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0』がBS12で無料放送されます。押井監督の名前を世界中に知らしめた『攻殻機動隊』の魅力に迫ります。

リアルとフィクションの境界があいまいな未来社会

 舞台となるのは、超高度にネットワーク化された未来社会。人びとは脳神経とインターネットを直接つなぐことができるようになっていました。そこに現われたのが、「人形使い」と呼ばれるサイバーテロリストです。人形使いは電脳化された人間の意識や記憶も自在に操ることができる凄腕ハッカーだったのです。

 公安9課、通称「攻殻機動隊」の草薙素子少佐(CV:田中敦子)、バトー(CV:大塚明夫)ら、体のほとんどがサイボーグ化されている捜査官たちは、人形使いの行方を追うことになります。光学迷彩服に身を包んだ草薙少佐が見せる華麗なアクション、多脚型戦車とのド派手な銃撃戦など、SFアクション映画ならではの見どころが用意されています。

 しかし、『攻殻機動隊』のいちばんの面白さは、その世界観です。高度にネットワーク化された社会には情報があふれ、リアルとフィクションとの境界が実にあいまいです。草薙少佐たちが追う人形使いは国際指名手配犯ですが、その正体は二重三重もの謎に覆われています。外務省や公安の上層部である内務省の思惑も絡み、真相にはなかなか手が届きません。

 また、草薙少佐はサイボーグ捜査官として非常に優秀ですが、その一方では義体化された自分の体は借り物に過ぎないという不安も感じています。情報が多すぎるがゆえに、フェイクニュースに惑わされてしまいがちな現代人の危うさを、押井監督は予見するかのように描いていたのです。

【画像】『攻殻機動隊』の物語を動かす、草薙素子とバトー(6枚)

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