マグミクス | manga * anime * game

放送ギリギリ「攻めすぎ」アニメ3選 過激すぎて怒られてもしょうがない…?

ほとんどのアニメは炎上や騒動を避けるため、放送上問題がないか入念にチェックされているものですが…そんな流れに逆行し、過激な描写や忖度なしのネタを盛り込んだ「攻めすぎアニメ」3選をご紹介します。

「放送コード」や「制作委員会」に真っ向勝負の“攻めすぎ”アニメ

『ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-』キービジュアル (C)Happy Elements K.K/LAST PERIOD ANIMATION PROJECT
『ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-』キービジュアル (C)Happy Elements K.K/LAST PERIOD ANIMATION PROJECT

 地上波でアニメを放映するには、過激な描写や政治的な内容、関わっている企業への配慮など、さまざまな点に注意しなければなりません。もちろん、ほとんどのアニメは騒ぎとならないように、たくさんの大人たちが作品をチェックして、放送上問題がないかをチェックしています。

 しかし、世の中にはあえて放送コードギリギリを攻めたアニメも多数存在しています。ある意味では、怒られることを覚悟のうえで、面白さを追求した賜物であるといえるでしょう。この記事ではそんな“攻めすぎ”アニメのなかでも屈指の3本を厳選して紹介していきます。

●『異種族レビュアーズ』

 はじめにご紹介するのは、2020年1月より放送されていた『異種族レビュアーズ』。物語の舞台は、人間だけではなく、エルフ、獣人、悪魔に天使と、あらゆる異種族が混在し、暮らしている世界。ここまではよくある設定ですが……肝心のストーリーはというと、「主人公たちが異種族の性風俗店に通い、クロスレビュー方式で採点していく」という、地上波にしては攻めすぎな内容となっています。

 オープニング曲「イこうぜ☆パラダイス」の時点から下ネタが存分に含まれており、制作陣の強気な姿勢が全開。本編はもちろん性描写が満載で、女体化してのプレイや、産卵ショーの見学など、ディープな回も多々あります。

 しかし、ただ過激なことをやろうとしているだけではなく、「人間にとっては若く見えるエルフも、他種族からは老けて見える」など、考え込まれた設定の面白さも味わえる作品です。

 当初はMXテレビ、サンテレビ、KBS京都などで放送されていましたが……TOKYO MXでは5話以降の放送が中止となり、6話からはサンテレビも陥落。しかし視聴者からは「逆に今までよく耐えていた」「放送できなくなって“だよね”ってなるアニメも珍しい……」など、一種のお祭りのような盛り上がりを見せることとなりました。

●『ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-』

 続いては、2018年4月から放送されていた『ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-』。本作は同名のスマートフォン向けRPGを原作としていますが、アニメ版はパロディやメタ発言が満載のオリジナルストーリーです。

 ソーシャルゲームが原作ですが、第1話から、「飛行船飛ばしたり、絶対やれよだのやるなよだの言ってみたり、サッカーチームやお笑いのスポンサー片っ端からやってみたり……」と、他の有名ソーシャルゲームのやり方に文句をつけるような発言が飛び出します。

 もっとも攻めているとされる第7話は、アニメ『けものフレンズ』のパロディ回。『けものフレンズ』は独特の世界観で大ブームを巻き起こした作品なのですが、『けものフレンズ2』が制作される際、監督である「たつき氏」が外されたことから大炎上する事件がありました。

 ラストピリオド第7話では、このたつき監督の立場を暗示するキャラクターと、辞めさせた側であるKADOKAWAを暗示するキャラクターが登場。そして現実と同じく炎上騒動に発展するストーリーで、完全に騒動をぶり返しています。

 しかも、『ラストピリオド』は製作委員会にKADOKAWAが入っているアニメなのです。それにもかかわらずKADOKAWAを批判するような内容を入れ込んで放送するというのは、かなりの気合の入った攻め具合だと言えるでしょう。

日曜朝に放送される子供向けアニメなのに…政治風刺やバッドエンド満載

アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期)ポスタービジュアル (C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期)ポスタービジュアル (C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

●『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期)

 最後は、国民的アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』。2018年4月から放送された第6期は、日曜の朝に放送されるアニメとは思えないほど攻めた内容となっています。

 たとえば第62話「地獄の四将 黒坊主の罠」では、悪い妖怪と組んだねずみ男が首相や役人たちと面会をするシーンがあるのですが、「なんちゃらミクスで儲かったんでしょ」「「いや。あれは都合のいいように統計のデータを操作しただけなので……」とパンチの効いた風刺が織り込まれています。

また、第43話「永遠の命おどろおどろ」は、「子供が見るには重すぎる」と話題になりました。主人公・小野崎は、研究によって“不死の体”を手にしますが、夜ごとに人を襲って血を吸う妖怪「おどろおどろ」に変身してしまいます。

自殺もできない小野崎は鬼太郎に死を懇願しますが、思い悩む鬼太郎。一方で小野崎の娘・美琴は、「自殺志願者を募って、その血を父親に吸わせればいい」などと提案し、殺さないでほしいと鬼太郎に頼みこみます。

 最終的に小野崎は美琴さえも手にかけようとし、美琴はそれを受け入れようとしてしまいます。そこで小野崎の思いを感じ取った鬼太郎は指鉄砲を放ち、小野崎は消滅。ラストシーンでは、小野崎の墓で鬼太郎と美琴がすれ違うのですが、美琴は「あなたを許さない」とだけ呟き、その場を後にするのです。

 救いようのないバッドエンドで、とても子供向けアニメとは思えないストーリー展開です。しかし綺麗なモノばかりを見せるのではなく、こういった作品を見せていくことによって、子供たちの感性は広がっていくのかもしれません。

(古永家啓輔)

【画像】よくTV放送した…際どすぎるアニメ(5枚)

画像ギャラリー