2月26日はアニメ『ドラゴンボール』の放送開始日。『Z』への改題には製作の事情も…?
1986年2月26日は、TVアニメ『ドラゴンボール』がスタートした日です。「週刊少年ジャンプ」で連載された原作の単行本は後に世界2億6千万部の売り上げを達成した伝説的ヒット作で、アニメも後に『ドラゴンボールZ』と改題され、続く『ドラゴンボールGT』も含め、10年以上放送されたロングランシリーズとなりました。
「つかもうぜ! ドラゴンボール!」
「2月26日」という日にちまでは覚えていませんでしたが、その日の筆者は新作TVアニメ『ドラゴンボール』の放送開始をTVの前で待ち構えていた記憶があります。同じ放送枠の前番組『Dr.スランプ アラレちゃん』が終了してしまったのは残念でしたが、それを補えるほどの期待を『ドラゴンボール』にかけていたのです。
やがて始まった『ドラゴンボール』でしたが、オープニング曲「魔訶不思議アドベンチャー!」の強烈なインパクトに、一気に引き込まれたことを覚えています。筋斗雲で爽快に空を飛ぶ孫悟空。そして悟空を待ち受けている敵の数々や頼もしい仲間たちが綺麗にまとめられた映像も、これから悟空が向かう冒険のワクワク感を見事に表現しており、『ドラゴンボール』という作品がどんなものなのかが一発で理解できる、素晴らしい内容でした。
ブルマとの出会い、ヤムチャとの戦い、ピラフ一味との激しいドラゴンボールの争奪戦など、序盤からさまざまな見どころがありましたが、やはり強く印象付けられているのはクリリンが登場したあたりからになります。それまでドラゴンボールを目的として繰り広げられていた冒険が、一気にバトルの方向にシフトして、話が分かりやすくなったのです。
亀仙人のもとでクリリンとともに修行の日々を送り、「天下一武道会」に出場して強敵たちとの激闘を繰り返す。血気盛んな少年読者にとっては滅茶苦茶に盛り上がる展開で、このころから原作の連載を追いかけるようになり、本屋で立ち読みをしたり、友だちが親に買ってもらった「週刊少年ジャンプ」を借りてみんなで回し読みしたりと、アニメと原作の両方で『ドラゴンボール』はどんどん盛り上がりを見せていったのです。
最初に開催された「第22回天下一武道会」の決勝では、亀仙人が変装したジャッキー・チュンと悟空が激突するも、僅差で亀仙人の優勝に終わってしまいます。続く3年後の第23回大会では新たに登場したライバルの天津飯がわずかな運の差で優勝をつかみ取り、やはり悟空は準優勝。これからはどんな展開が待っているのだろう……? そんな想像を働かせる間があったのか無かったのか、「クリリンの死」と言う衝撃的なシーンから、ピッコロ大魔王というかつてない強敵との戦いへ一気に突入していったのです。