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【漫画】死後の世界でカフェに来た女性、注文は“タピオカドリンク”人生の心残りとは?

突然の死を迎えてしまった女性は、死後の世界で船に乗ろうとしていました。「心残りは何もない」しかし足が動かず、前に進めません。その様子を見た船員に連れられて来たのはコーヒー店で……。古川ちほさんのマンガが心温まります。

店主との会話で、人生を振り返る…「素敵なお話」

死後の世界に“コーヒー店”が…(古川ちほさん提供)
死後の世界に“コーヒー店”が…(古川ちほさん提供)

 突然の死を迎えてしまった女性は、死後の世界で船を待っていました。「大丈夫、心残りは何もない」そう思いながら到着した船に乗ろうとしますが、足が動かず、前に進めません。船員から「無理に進むことはない」と言われ、連れられて来たのはコーヒー店でした……。

 古川ちほさん(@_BLEND105_)による創作マンガ『死後の世界のコーヒー店で特殊なドリンクを注文するお話』がTwitterで公開されました。本作品はTwitterやpixivなどで公開中の『稀有の海より』シリーズの1エピソード。生前の世界に未練のある死者が、コーヒー店で自分の人生を振り返る物語に、読者から「ほっこりした」「素敵なお話」「元気が出た」「こんな死後があるといいな」などの声があがりました。

 作者の古川ちほさんに、お話を聞きました。

ーー古川ちほさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 幼い頃から絵を描くことが好きで、絵の表現の幅を広げたいと思うようになってからマンガを描くようになりました。本格的に描き始めたのは2017年からです。

ーー『死後の世界のコーヒー店で特殊なドリンクを注文するお話』はどのようにして生まれましたか?

 無意識のなかにある寂しさに気付いたことがきっかけでした。私はよくひとり旅をするのですが、旅先で感じた出来事を誰かと共有したいと思っても、すぐに伝えられないことに孤独を感じることがあります。「ひとりは気楽だけど、どこか心細い」というもどかしさにも似た感情をマンガで表現してみたいと考え、このストーリーができました。

 特殊なドリンク(タピオカドリンク)を登場させたのは、生前の世界の流行が死後の世界では全く通じないあべこべ感を出してみたかったからです。

生前、職場の後輩とタピオカドリンクを飲む約束をしていた(古川ちほさん提供)
生前、職場の後輩とタピオカドリンクを飲む約束をしていた(古川ちほさん提供)

ーー今回のお話も含まれた『稀有の海より』シリーズは、死後の世界を舞台に、コーヒー店の店主が死者を迎えるという展開ですが、“死後の世界”や店主のキャラクターを描くうえで工夫なさっている点、心がけている点などがあれば教えて下さい。

“死”という表現はデリケートなものでもあるので、暗すぎる内容にならないよう気をつけています。また、冒頭に登場する船乗り場やメインの舞台であるコーヒー店は「自分の人生に区切りをつけ、命の終わりへ旅立つための出発点」となる場所なので、そこには必ず誰かがいて、静かに寄り添うような温もりがあってほしいと思いながら描いています。

 店主であるイトという青年は、人生に未練を残した死者(ホツレ)を迎え入れ、コーヒーでもてなしますが、彼らに対して「こうしろ、ああしろ」というような助言はしません。コーヒーとともに言葉もテーブルに置いていくように話し、その後は夜明けまで彼らを見守ることに徹します。素っ気なく感じる行動かもしれませんが、そこにイト自身の優しさがあるので、表情やしぐさなどの描写で伝えられるよう心がけています。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「自分だったらどうだろう」というような、人生と死について考えるきっかけになったという内容のお声を多く頂戴しています。そんな物語であれたらいいなと思って描いたものなので、そう感じていただけてとてもうれしいです!

 実際に温かい飲み物を用意してお読みくださった方もいらっしゃるようで、なかには「コーヒー屋さんで豆をひく音と香りに包まれながら読みました」というコメントもあり、ご自身で体感するようにこの物語を味わってくださったのかなと想像したら本当にうれしくなりました。ありがたいです!

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 今回ご紹介いただいた『稀有の海より』シリーズは、個人で発行している同人誌で展開している作品なので、今後もそのように活動・発表していく予定です。オムニバス形式のストーリーなので、また機会があれば1話丸々Twitterで公開したいと考えています。

 まだマンガ執筆の経験が浅いため模索を続ける日々ですが、表現したいと思うものがある限り、今後もコツコツと描き続けていきたいです。

(マグミクス編集部)

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