『チェンソーマン』魅力もクセも濃すぎ、ヒロイン7人 本命は料理上手の…?
さまざまな想像がふくらむストーリーに、謎多き登場人物たち。『チェンソーマン』の数ある魅力ですが、ひとクセもふたクセもある「ヒロインたち」の存在も、そのひとつと言えます。筆者の独断と偏見で、そんなヒロイン力あふれるキャラクターをピックアップしてみました。
『チェンソーマン』のクセが強すぎるヒロインたち

かわいいし、面白いし、ミステリアスな魅力にあふれている。だけど、付き合いたいかと聞かれたら……。アニメ化も決定したマンガ『チェンソーマン』(著:藤本タツキ/集英社)に登場するヒロインたちは皆、「近づきすぎるとヤケドしそう」では済まないほど、危なげな雰囲気を漂わせています。皆さんが好きなヒロインは、どの子ですか?
※この記事では、物語の核心についての記載があります。ご了承のうえお読みください。
●姫野先輩:応援したくなる女性No.1
物語序盤から登場した、早川アキのバディであるデビルハンター。おちゃめでスキンシップが多く、主人公・デンジに強烈なトラウマを残した女性です(あの飲み会シーン、アニメでいったいどう表現されるんでしょう?)。
熟練のデビルハンターという表の顔に隠れた、天真爛漫さやアキへの思いから、個人的にものすごく好感度が高く、つい応援したくなるキャラクターです。
●レゼ:かわいく、強く、そしてはかなげな美女
デンジの命を狙い、圧倒的な格闘技術と爆弾の悪魔の破壊力を持つ強敵。その一方で、デンジをさまざまな場所へ連れ回す彼女は、小悪魔的なかわいさを漂わせていました。
特に「レゼ編」の学校デートは、読者の心をガッチリつかみました。まるで映画のワンシーンのような、青春の甘酸っぱさを感じさせる展開と、その後の戦闘へのギャップ。藤本タツキ先生の構成力の高さをまざまざと見せつけられましたし、そのギャップがあったからこそ、レゼの魅力が一層引き立てられていた気がします。
●パワー 虚言癖で差別主義者からの、「妹力」のあるキャラへの変貌
登場時からずっと、虚言癖と差別主義的な発言で「イタイ子」という印象だったパワー。しかしアキ、デンジとの共同生活がはじまり、物語が進むとその蛮行も少しだけ改善(ほんんんのちょっとだけですがね!)。デンジやアキにとって、妹的な存在へと変わっていきます。
猫のニャーコへの深い愛情や、ときおり見せる優しさ。彼女の変化に読者もどんどん愛着がわくわけですが、こうしたつかの間の幸せを感じさせたところで、一気に物語を加速させるのが藤本先生の特徴。急転直下な展開に、ますますパワーへの愛着が増す筆者なのでした……。
●コベニ ドジっ子キャラ、ときどきシリアスな「普通の女の子」
姫野先輩と同じくらいのタイミングで登場したコベニちゃん。序盤にはデンジを殺そうとしたり、人間離れした身体能力を見せたりなど活躍もしたのですが、ぶっ飛んだ人間しかいない『チェンソーマン』では、いたって普通の女の子のように見えるから不思議です。
パワーが運転する買ったばかりの愛車で人をはねてしまったり、闇の悪魔の一戦で新車が大破したり、デビルハンターを辞めてハンバーガー店でバイトを始めたのに、お店へチェンソーマンが現れたり……。とにかく不憫な目にあうばかりの彼女を見ていると、「がんばれ……!」と応援したくなります。
●マキマさん 最強のラスボスが最強のヒロイン
『チェンソーマン』において、ラスボス的立ち位置のマキマさん。しかし作中では、そんな彼女が「いちばんかわいい」と思えるシーンがやまほどあります。デンジを自宅に招いたとき、犬たちに舐められながら「にゅあ~」と叫ぶシーンはただただ「かわいい」の一言に尽きます。
計算高さと冷徹さを持つ一方で、満面の笑みや映画に涙する姿も見せる。あなたはどちらのマキマさんを、本物だと思い込みたいですか……?
●番外編その1 天使の悪魔
美青年で天使の翼が生えた姿。登場当初はどこか人生を諦めている様子ですが、デビルハンターのアキを死なせまいと奮闘するその様子に、胸がぐっときた人は多いはず。悪魔らしからぬ献身的な姿は、隠れたヒロインでは? と思わせるに十分な魅力でした。
●番外編その2 早川アキ
番外編と称しておきながら、もはや『チェンソーマン』でもっともヒロイン的存在だったのではとも思える存在、アキ。銃の悪魔への復讐しか頭になかった彼ですが、デンジやパワーと一緒に暮らすにつれ、彼らへの情がわき、どうにかふたりに生きていてもらうための道を探します。
その願いは最悪な形となって現れるという、皮肉な展開を迎えてしまいますが、主人公以上に「彼には幸せになってほしい」と、多くの読者が思ったことでしょう。
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外見的なかわいらしさと、内面の複雑な心情。『チェンソーマン』のヒロインたちはそんな、人間くささと非情さが同居しているキャラばかりです。だからこそ、作品を読めば読むほど、彼女たちの魅力を再発見する楽しさがあります。みなさんがお気に入りのヒロインは、どの子ですか?
(サトートモロー)