【漫画】仲が悪かった母の四十九日、子猫が迷い込む 世話をするうち…涙を誘う思いが
あまり仲が良くはなかった母を亡くした主人公のもとへ、四十九日に迷い込んできた子猫。不思議な運命を感じてその子猫と接しているうちに、生前の母との関係を振り返ることが増えて……。かっくさんの創作マンガが好評です。
“猫の日”に公開されたヒューマンドラマ
自分にとって最後の血縁者であった母を亡くした主人公。四十九日に迷い込んできた子猫と接していると、何かにつけて生前の母との関係を思い出します。母とは会話も弾まなかったのに、子猫には素直に話せる自分。そんなある日、不意に気付いたこととは……?
漫画家のかっくさん(@cak221)が、創作マンガ『猫と子と母』をTwitterで公開しました。読者からは「心が暖まるわ」「尊い」「とても善き作品」「号泣しました」などの感想が寄せられています。
作者のかっくさんに、お話を聞きました。
ーー『猫と子と母』のお話はどのように生まれましたか?
2月22日の“猫の日”には猫マンガを描こうと毎年思っていて、その一環で生まれました。2020年の“猫の日”の後に、母ではないのですが、私が猫を好きになるきっかけを作ってくれた近しい人が亡くなって、「伝えたいことをもっと言っておけば良かった」という後悔がありました。なので、2021年の“猫の日”はそのようなメッセージを込めて、人と人の関係・人と猫の関係それぞれを繋ぐお話を絶対に描こうと決めていました。
とりわけ血縁者って、言うべきことや取るべき態度を正しく実行に移せないことが多いと思うのですが、読んでくれた人が、自分の身近な人との歩みを進める一助になればいいなと思いながら描きました。
ーーかっくさんにとって「動物と女の子は一生好きなテーマ」とのことですが、猫にはどのようなところに魅力を感じますか?
猫は、まず顔がかわいいですよね(笑)。仕草もかわいいし、自分勝手なのに甘えたがりといったギャップがすごくかわいいです。私は子供の頃、家の都合で動物が飼えなかったので、初めて猫を抱いた日の感動と温かさは忘れられません。動物は全般的に好きなのですが、猫は特に幼少期の思い出補正が強いのかもしれません(笑)。
ーーかっくさんがTwitterで発表されているマンガでは、モノクロをベースとして一部に着色された作品も多いです。今回の作品で、目の色はどのように選びましたか?
まず、主人公と猫の目の色は絶対に揃えようと思っていました。色自体は、舞台が日本なので茶色にしよう、と決めていて。前述の、亡くした人の目が淡い色だったので、淡めの茶色にしました。
ーー『猫と子と母』に対する読者からの反応で、特に印象に残った声があれば教えて下さい。
読んで下さった方のご家族が愛犬を亡くし、骨を埋めた日に子猫が迷い込んできて……というお話が、すごく心に残りました。転生という概念自体はマンガの世界の話かもしれないけれど、やっぱり私はそういうちょっと運命的な、巡り合わせの奇跡みたいなものをすごく素敵に感じます。また、「自分も親孝行しようと思った」というコメントは、純粋にうれしく思いました。
ーーかっくさんは幅広い方向性の作品を手掛けていらっしゃいますが、今後新たに挑戦してみたいテーマや興味を持っているジャンルなどはありますか?
今まではラブコメが多くて、それはもちろんこれからも描くつもりなのですが、ゆる~っとした日常マンガや、あるいはもう少し複雑な人間関係だったり心理描写に踏み込んだお話なども描いてみたいなと思います。いつか描いてみたいなぁと思うのは実はバトルモノなのですが、それなりのページ数で描きたいので、実現するとしたら余生でしょうか(笑)。
(マグミクス編集部)