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ネタバレ…というより“最終回しか知らない”アニメ3選 「ネロとパトラッシュが…」

ネタバレに厳しい世の中ですが1990年代のテレビでは「懐かしのアニメ最終回特集」といった特番が幾度となく放送されていました。その上位ランキングを占めるのはいつも同じ作品……そのせいか最終回だけ知られてしまった作品もたくさん存在しているようです。

物心つく頃には「ネタバレ」されていた? それでも面白い珠玉の名作たち

 若い世代でもアニメ『フランダースの犬』のラストシーンを知っている人は多いです。 放送されたのはすでに45年も前だというのに一体、なぜでしょうか。再放送で観た、ビデオソフトで観た、という人もいるとは思いますが何といっても1990年代から2000年代にかけて繰り返し放送された「懐かしのアニメ最終回」という特番の影響が大きいでしょう。本稿ではそんな“そういえば最終回しか知らない”名作アニメをピックアップ。そこから生じた勘違いと合わせておさらいしていきます。

●『フランダースの犬』はネロとパトラッシュが昇天…だけは知っている

「世界名作劇場・完結版 フランダースの犬」DVD(バンダイビジュアル)
「世界名作劇場・完結版 フランダースの犬」DVD(バンダイビジュアル)

 1975年にフジテレビ系で放送された世界名作劇場『フランダースの犬』の最終回はあまりにも有名です。吹雪の中、大聖堂に逃げ込んだ少年ネロとパトラッシュがルーベンスの絵画を前に力尽きてしまう場面は“号泣必至のシーン”として、これまで何度もバラエティ番組で取り上げられてきました。一方、たいていはダイジェスト処理だったためそこまでの経緯を知らない人も多いのではないでしょうか。

 なんとなく「村人にあらぬ疑いをかけられ、大聖堂に逃げ込んだ」というところまでは把握できていても、ルーベンスの絵画「キリスト降架」に対するネロの並々ならぬ想いはアニメ未視聴の人にとってはいささか不思議に思えたかもしれません。

 (とはいえ本稿もダイジェストになってしまうのですが)そもそもネロは画家志望であり、祖父とともに貧しい暮らしをしてきました。そのためアントワープ大聖堂にあるルーベンスの作品はまさに憧れ。とはいえ見るだけでもお金が必要なため、貧乏暮らしのネロには払えない……それだけに世間に見捨てられた孤独のなか、誰もいない大聖堂で念願のルーベンスの「キリスト降架」を見られたことはネロにとって、せめてもの救いだったのです。

●真っ白に燃え尽きるシーンは『あしたのジョー』にはない?

「あしたのジョー ソングファイル」(株式会社 徳間ジャパンコミュニケーションズ)
「あしたのジョー ソングファイル」(株式会社 徳間ジャパンコミュニケーションズ)

『あしたのジョー』(原作:高森朝雄、作画:ちばてつや)の真っ白に燃え尽きるラストシーンも有名です。バラエティ番組はもちろん、さまざまな場面でパロディされてるので『あしたのジョー』を知らずともこのシーンは知っている人も多いでしょう。

 ところがこの“真っ白に燃え尽きるシーン”、厳密に言えばアニメ『あしたのジョー』には登場しないのです。というのも1970年に放送開始された『あしたのジョー』は途中で放送が原作に追いついてしまったので最終回はホセ戦ではなく、カーロス戦で終わっているからです。つまり私たちがよく知っている「燃えたよ、燃え尽きた、真っ白にな……」というあの有名なシーンは原作終了後に制作された『あしたのジョー2』の最終回だったのです。そうなるとアニメ第1作の『あしたのジョー』の最終回は意外とスポットライトが当たっていないことに気付かされます。
 

●そういえば少年の名前も知らないかも…『あらいぐまラスカル』

「あらいぐまラスカル ファミリーセレクションDVDボックス」(バンダイビジュアル)
「あらいぐまラスカル ファミリーセレクションDVDボックス」(バンダイビジュアル)

 世界名作劇場からはもう1作品エントリー。1977年にフジテレビ系で放送された『あらいぐまラスカル』です。飼い主の少年とラスカルが人里離れた森の奥深くでお別れするラストは有名ですね。この『あらいぐまラスカル』も作品自体の知名度に反してストーリーを把握している人の比率がやや低い作品といえそうです。「そういえばラスカル以外の名前が分からない」なんて人も多いはず。

 飼い主の少年は動物好きの少年スターリング。原作者のスターリング・ノース自身がモデルです。そしてラスカルはアライグマの赤ちゃん。第1話では冒頭から猟師に母親を殺されるという憂き目を見ます。最終話でなるべく人里離れた場所へと戻そうとしたのは再び猟師に見つからないようにするためだったのです。ちなみに、ラスカルの声優は野沢雅子さんで、当初はアライグマの鳴き声がわからず苦労したとか。

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 古典と呼ばれる作品はそのオチがわかっていても楽しめるものです。そういう意味では今回紹介した3作品はどれも古典・クラシックの領域に達しているものばかりです。元号は昭和から平成、そして令和に変わってもなおこれらの作品はネタバレという概念を超えて愛され続けることでしょう。

(片野)

【画像】詳しいストーリー知らないけど…「最終回がヤバい」と有名なアニメ(5枚)

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