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鬱展開、絶望的なエンディング…トラウマゲームのキャッチコピーがもうつらい

世界観や登場人物が不気味で、鬱展開や絶望的なエンディングがプレイヤーの脳裏に深く刻まれる”トラウマゲーム”をキャッチコピーから振り返ります。プレイ後に放心してしまうようなタイトルのなかには、またプレイしてしたくなってしまう、不思議な魅力を持っている作品も多く存在します。

「どうあがいても絶望」だし「最後まで抗っても」絶望

プレイ画面が怖すぎ! PS2用ソフト『SIREN』(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
プレイ画面が怖すぎ! PS2用ソフト『SIREN』(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

 プレイ画面が抜粋されたCMが”怖すぎて”放送禁止になる……衝撃的なデビューを果たした『SIREN』は2003年に発売されたPlayStation 2用ソフトで、キャッチコピーは「どうあがいても絶望」です。この記事では、有名な”鬱展開”や、トラウマが約束されたゲームを、作品に付けられたキャッチコピーから振り返っていきます。

 和風ホラーゲームとして発売された『SIREN』の舞台は、土着信仰や伝承を持つ陸の孤島、「羽生蛇村(はにゅうだむら)」。牧歌的な風景が広がるこの村で突如「サイレン」が鳴り響き、村は異界に飲み込まれ、プレイヤーは村から脱出できない状況に追い込まれます。

 主人公は一般人。敵の攻撃を1~2発食らっただけでゲームオーバーになってしまいますが、襲いかかる「屍人(しびと)」は不死身、倒してもすぐに蘇ります。

「屍人」の襲撃におびえながら夜の学校や廃屋を探索しなければならない『SIREN』は、キャッチコピーにたがわず、シチュエーションと難易度、どちらにおいても絶望的です。

 続編の『SIREN2』は「逃げ場なんて、ないよ。」、PlayStation 3用ソフト『SIREN :New Translation』は「息することさえ、恐怖。」がキャッチコピーに採用されており、シリーズをまたいでも「どうあがいても絶望」であることが伝わってきます。

 また、「抗え、最後まで。」とは、『SIREN』と同じ2003年に発売されたPlayStation 2用ソフト『ドラッグ オン ドラグーン』のキャッチコピーです。

 主人公と、パートナーのドラゴンが活躍するアクションRPGの本作が”鬱ゲー”と評される理由は、プレイ前とプレイ後のギャップによる所も大きいでしょう。ファンタジー色の強い冒険活劇かと思いきや、癖の”強すぎる”登場人物たちが織りなすストーリーがいずれも衝撃的すぎるのです。

 また、『ドラッグ オン ドラグーン』はマルチエンディングシステムが採用されており、5つの結末が用意されているのですが……このうちのひとつ、通称「新宿ED」こそが”鬱ゲー”としての評価を強固にしました。

 キャッチコピーの通り、やり込み要素を極めた結果にお目見えできる”新宿ED”は剣や魔法の世界から一転、現代の新宿にワープする結末です。自衛隊のミサイルに撃墜され、東京タワーに突き刺さるドラゴンのシーンが「最後まで抗った」結果として用意されている『ドラッグオンドラグーン』に救いはありません。

「あなたはまだ月のこわさを知らない」物語に散りばめられた”やりきれない”設定

一見、ファンタジー色の強い冒険活劇に思えるが… PS2用ソフト『ドラッグ オン ドラグーン』(スクウェア・エニックス) 
一見、ファンタジー色の強い冒険活劇に思えるが… PS2用ソフト『ドラッグ オン ドラグーン』(スクウェア・エニックス) 

「あなたはまだ、月のこわさを知らない」

 これは2000年発売、NINTENDO64用ソフト『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』(以下、ムジュラ)のCMで用いられたキャッチコピーです。

 任天堂のゲームといえば万人向け、世代にかかわらず楽しめる作品を多く開発しているイメージが強いですが、『ムジュラ』の持つダークな世界観と雰囲気は、当時のプレイヤーにトラウマを植え付けました。

 本作の最大の特徴は「タイムリミットが3日」という点。3日後には空から月が落ち、拠点となる「クロックタウン」が滅亡してしまう設定のもとに物語は進行していきます。

 月のビジュアルの怖さや、日を重ねるに従って変わる音楽の曲調もプレイヤーの焦燥感をあおりますが、攻略の鍵となる「仮面」の設定もトラウマポイントでしょう。

「仮面」は原則として主人公が対象の無念をはらし、鎮魂をすることで手に入れるアイテム。それぞれの「仮面」にはキャラクターの想いが宿っており、主人公「リンク」が「仮面」装着時に叫ぶシーンもホラー要素が強いです。

 ほかにも懺悔を聞いたり、館の呪いを解くことでゲットできる「お面」もあったりなど、入手に至るまで、重たいエピソードがまつわるモノも多く存在します。

 月を地上に落下させる張本人「スタルキッド」さえ「仮面」に操られていただけ。彼がイタズラを始めた目的も、当初は「友達が欲しい」ピュアな動機からでした。

 物語の各所に”やりきれなさ”や”鬱エピソード”を発見できることは、『ムジュラ』がほか『ゼルダの伝説』シリーズと毛色が違うポイントのひとつです。

 今回は、プレイ後にしばらく放心してしまうようなトラウマゲームや、後味の悪い鬱ゲームをご紹介しました。これらの作品はしばらくすると、またプレイしたくなるような不思議な魅力を持っています。記事を読んで思い出した方は”あの”ゲームを改めて、プレイしてみてはいかがでしょうか。

(ふみくん)

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